更新日:2007/10/17(水)
[社会] 釜ヶ崎/大阪市、454名の住民票を消除
「法の遵守」タテに日雇い労働者・野宿者に更なる仕打ち
「住民としての登録場所が存在する方が、ホームレスの皆さんの自立、就労には好都合であることは申すまでもないことです」─柳沢伯夫厚労相(当時)の参院での国会答弁(今年三月)である。
「産む機械」発言で人権意識の低さを厳しく批判された同氏すら、釜ヶ崎地区の住民登録職権削除の問題点をこう指摘したうえで、総務大臣に善処を求めたのである。
ところが大阪市は、釜ヶ崎解放会館他で職権削除した住民登録の回復・代替措置実施に取り組むどころか、同様の例がないか市内全域で調査し、八月末までに二二ヵ所の四五四人についても「居住実態がない」として、職権により住民登録を削除した。
釜ヶ崎地区の約百軒のドヤについても、一一月四日告示の大阪市長選までに居住実態を調査する予定で、ドヤでの宿泊証明で復活した住民登録についても削除する可能性がある。
法の不備ごまかすアリバイ作り
大阪市市民局によると、まず同一住所に一〇名以上住民登録がある建物を抽出。マンションなど世帯戸数から判断して合理的と思われるものを除いた四〇二ヵ所を選定。このうち建物の大きさや部屋数などから判断して「不自然」な六三ヵ所に絞り込んだうえで、居住確認のための実地調査を行い、四五四人分を削除したという。
続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。