更新日:2007/10/08(月)
[海外] パレスチナ/葛藤する若者たち
──マイサ・ヒンダイレハ(MIFTAH「グローバル対話と民主主義を促進するパレスチナ運動」)
イスラエルの占領こそ最大の困難
パレスチナの若者はパレスチナ社会を構成する最大部分で、パレスチナが直面する問題を解決するためにはもっと注視すべきであるが、無視されることが多い。
大雑把に言えば、若きパレスチナ人は三つの次元で難問と葛藤に直面している。@家庭における葛藤、A社会における葛藤、そしてB政治的葛藤である。
家庭内葛藤はパレスチナ社会で滅多に話題にならないが、家庭内対立や葛藤のために崩壊している家庭はたくさんあり、パレスチナ社会はもっと関心を向けるべきである。
特にこの七年間、パレスチナ人の移動が制限されているため、家族分散が生じ、それが家庭崩壊の一因となっている。このような家庭では、若者の家庭内の位置が不安定となり、それが若者の行動に影響を及ぼす。家庭内葛藤を抱える若者は学校や職場で勉強や勤労へのモチベーションを喪失し、一般に自信を喪失している。
若者が直面するもう一つの難問は、社会的葛藤である。例えば、伝統的価値観と近代的価値観、原理主義とリベラリズムの間の葛藤である。テクノロジーの発達のおかげで若者は他の文化や伝統や価値観に触れるようになった。
それら新しい考え方や価値観は、若者がそれまで慣れ親しんできた考え方や価値観と矛盾するように見え、実際に正反対の場合もある。若者は両者を比較・対比するが、本当にその違いや変化が理解できるわけではない。結果、次の二つのうちどちらかを選択することになる。一つは新しい文化に盲目的に同化する。このため、自分の育った環境から疎外されることになる。あるいは反対に、異質なものを一切拒否し、新思想や価値観に背を向けることである。
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