更新日:2007/10/08(月)
[社会] 釜ヶ崎/大阪市が「高齢者特掃事業の削減せず」明言
高齢者特別就労組合(準) 谷岡一
日雇労働者・野宿生活者の「命綱」を断つな!
「特掃を削減できるような状況ではない」。九月一三日、浪速区民センターで行われた交渉の場で大阪市健康福祉局に続き、重点事業計画において特掃削減を立案した経営企画室もこう認めざるを得ませんでした。
大阪市は来年度より高齢者特別就労事業の大幅削減を計画していました。年間三万八五〇〇人分から二万二〇〇人分へ、一万八三〇〇人分もの大幅削減です。大阪府負担分と合わせ、現在一日あたり一九六人分の仕事が紹介されています。現在の登録者は二三七一人で、月あたり約三回の就労機会を得ます。削減が強行された場合、一日あたり約六〇人分の削減となり、月あたりの就労機会は三回を切ることになります。
そもそも、高齢者特別就労事業は、釜ヶ崎における相対制度=手配師制度の下で、選別・排除され就労機会を奪われる仲間たちの固定した失業状態を緩和するという性格をもつ事業です。
バブル経済崩壊後の大失業状況下、反失業闘争を通して、失業の問題を個人に還元するのではなく、制度的問題として行政に認めさせ、具体化を勝ちとった事業です。根本的な問題が解決されぬままに削減が強行されるなど許されません。
私たち高齢者特別就労組合準備会はこの削減計画に抗するために、六月下旬よりアンケート活動を開始しました。一週間で二七〇人を越える仲間の協力を得ました。アンケートを通して明らかになったことは、「生存権」とは程遠い仲間たちの生活実態でした。月あたりの収入が二万円未満の仲間が五割を越え、シェルターで眠り、炊き出しを利用し懸命に生きる仲間たちの姿でした。この状況で特掃を削減することは命綱を断つに等しいのです。
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