[社会] 日本でも広まる「9.11攻撃の真実」
──グローバルピースキャンペーン きくちゆみ
6年目の今、真相究明運動広まる うち続く関連書籍の出版
昨年から翻訳していたデヴィッド・レイ・グリフィンのベストセラー『九・一一事件は謀略か─二一世紀の真珠湾攻撃とブッシュ政権』が、ついに出版された。長崎大学の戸田清さんと私が共訳した。
グリフィンはクレアモント大学の神学の名誉教授であり、九・一一事件に関して政府発表に疑問を投げかける著作(アメリカでは問題作であり、同時にベストセラーでもある)を、すでに三冊を執筆している(共著は二冊)。
彼の本業は神学であるが、こうした畑違いの、しかもブッシュ政権に真っ向から歯向かう重要な著作を二冊も続けて発表したグリフィン教授のもとには、大量の脅迫や暴言が届いただけでなく、彼の仕事を否定する雑誌記事が『ポピュラーメカニクス』などの商業誌に掲載された。また、ネット上でもさまざまな論争が挑まれた。
それらの中で理論的な反論に対しては、グリフィン教授が更なる反論を試みて、一冊にまとめたのが『九・一一事件の反論に対する反論―ポピュラーメカニクス」及び政府陰謀説を擁護する人々への回答』(未訳)である。彼の徹底的に真実を追究し続ける真摯で謙虚な態度には、本当に頭が下がる。
実はグリフィン自身、私やあるいは多くの人と同様、いわゆる「政府陰謀説」というものを「胡散臭いもの」、あるいは「あり得ないこと」、としてきちんと精査してこなかったという。私自身の言い訳をさせていただくと、九一一事件が起きた後、グローバルピースキャンペーンを立ち上げ、『戦争中毒』の日米での出版や翻訳、そしてドキュメンタリー映画『テロリストは誰?』の日本語版制作に取りくんできた。米国が第三世界で六〇〇万人以上の市民を秘密戦争で殺している、という元CIA高官のジョン・ストックウェルが独白しているのを聞いて、あれだけのことをしてきたのだから、ブローバックのように米国に暴力が戻ってきたのだ、と簡単に納得してしまったのだ。
ブッシュ政権高官の謀略への荷担
しかし、『九・一一事件は謀略か』を翻訳し、世に出した今となっては、私はグリフィン教授と同じ立場に立っている。つまり、米国政府の協力(それがどのレベルかは、さらなる調査を待たなくてはならない)なくしては、あの事件は成功できなかった、ということだ。最悪の場合、この事件は軍産複合体の延命を計るために米国政府が立案した謀略である可能性さえもある。
アメリカの厳しい防空体制をかいくぐって、ハイジャックされた (しかも操縦はアマチュアパイロットだ)旅客機が、あんな小さな標的(世界貿易センター)に激突することはほぼ不可能だ。小型迎撃ミサイルがくまなく配備され、米国で最も厳重に防御されているペンタゴンに民間機の突入が許されるわけがないのだ。友軍(米軍用機や米軍ミサイルなど)である場合だけ、そのようなことが起こり得る。こういう基本的な事実さえ「いくら米国でもそこまではやらないだろう」「そんなことは、ありえない」という根拠のない思い込みで、調べもしなかった自分自身が恥ずかしい。私は事件から丸三年もまんまと騙されていたのだ。