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更新日:2007/09/20(木)

[海外] パレスチナ/ユダヤ人もパレスチナの歴史を知るべきだ
──7/25 グッシュ・シャロームより

「独立戦争」? それとも破局(ナクバ)?

イスラエル教育省は、生徒(少なくともアラブ系の生徒)が、「一九四八年戦争はアラブ人から見れば破局(アラビア語で『ナクバ』)である」と学習することを許可した。アラブ人生徒は無論知っているが、大切なことは、ユダヤ人生徒もそれを学習することだ。

両民族の間の相互理解には、神話や通俗的デマや虚偽の歴史を乗り越える必要がある。シオニストの説話もパレスチナ人の説話も、両者にとって正しい統一歴史に統合されなければならない。イスラエル国は素直に過去に直面できるほど強国であるはずだ、という前提で、数年前、我々グッシュ・シャロームは一〇一項目から成る『真実対真実』(Truth Against Truth)という簡素な歴史パンフレットを出した。一九四八年戦争(=イスラエルにとっては独立戦争、パレスチナ人にとってはナクバ)を含む紛争開始から現在までのアウトラインを描いたものである。

土地分捕り戦争としてのパレスチナ紛争

以下、何点か関連項目を引用する。

☆ヨーロッパでのホロコーストの影響もあって、パレスチナ紛争が激化したので、国連はパレスチナをユダヤ人国とアラブ人国に二分し、エルサレムとその付近を国際管理下に置く決定をした。ユダヤ国はネゲフ砂漠を含む五五%の取り分だった。

☆ユダヤ人主権が認められたので、ほとんどのシオニズム運動は国連分割案を認めた。当時の首相=ベングリオンは、「ユダヤ国領土拡大の基礎ができた」と公言した。だから、イスラエルの建国宣言には国境の記述がなく、現在も国境を規定していない。

☆アラブ世界は分割案を、国連によるパレスチナ分割の悪企みと見なして、受諾しなかった。人口の三分の一にも満たないユダヤ人に同地の半分以上を与えるというのは、アラブ人にはとても承諾できるものではなかった。

☆分割後生じた戦争は、双方にとっての「土地を分捕り戦争」であった。これは常に追放と残虐行為を伴い、後に民族浄化となった。

☆一九四八戦争は、シオニスト対アラブ紛争の継続で、ユダヤ人は広大な同質的ユダヤ国を作りたがり、アラブ人はシオニスト・ユダヤ人の拠点を消し去りたかった。

☆両者とも民族浄化を中核戦略とした。ユダヤ人占領地にはアラブ人がほとんどいなく、アラブ人占領地にはユダヤ人がいなくなった。しかし戦果は一方的で、ユダヤ側の占領地は大きくなった。

☆「少数対多数」という神話は、六五万人のユダヤ人コミュニティに対して一億人以上から成るアラブ世界を対置させたシオニストの作り上げた誇張であった。

☆統一的民族指導部がないアラブ人の断片的部隊は、貧弱な旧式の武器で、充分な訓練を受け、近代的に組織されたユダヤ人精鋭部隊に立ち向かった。近隣アラブ諸国は地元パレスチナ・アラブ人を裏切り続け、軍を派遣しても、仲間うちでもめたり、共通戦略も協力もなかった。

☆一九四八年戦争でユダヤ国はパレスチナの七五%を手中に収め、ほとんどのアラブ人を追い出した。ナザレやガリラヤ地方にアラブ人が残ったのはまったく偶然の成り行きだった。つまり、この村々は、ヨルダン・アブドラ王がイスラエルへの取引材料だったために、アラブ人が追い出されなかったのである。

☆この戦争で七五万人のパレスチナ人が故郷を失った。故郷が戦場となって逃げ出した者もおれば、デイル・ヤッシン村虐殺のようにイスラエルのテロで逃げ出した者もいるし、イスラエルによって民族浄化作戦として集団移転させられた者もいる。

☆戦争が終わったら難民は故郷へ帰るのが通常だが、イスラエルは彼らの帰還を許さなかった。これは、民族浄化の一つである。むしろイスラエルは難民流出を好機ととらえ、四五〇余のアラブ人村を潰し、その跡にユダヤ人村を建設して、ヘブライ語の村名をつけた。またユダヤ人移民をアラブ人が残した土地に流入させた。イスラエルの学校で使われている教科書には、前住民に関する記述は一切ない。

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