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更新日:2007/08/24(金)

[海外] アルゼンチン/農民運動を体験してみました!

日常の中の社会運動

コルドバで約三〇年ぶりという雪の降る朝、私は大きなリュックと寝袋を背負って大学に向かいました。そこに集まったのは約四〇人、コルドバ農民運動(MCC・Movimiento Campesino de Cordoba)での実習に参加するメンバーです。七月九日〜一七日の九日間、「田舎での生活を体験しながら、社会運動について考える」というこの実習に、飛入りで参加してきました。

参加者は大半が私と同年代で、農学部や社会福祉学部の学生が多く参加していました。自己紹介の後、三組に分かれ、社会運動の概念や課題について話し合いました。

運動における主体性の問題、つまり何のための、誰のための発展なのか。また様々な運動グループが点在する中、それらをどう繋げていくのか。都市と地方の乖離が進む中、その間の空間に必要なものは何なのか。それら個別のアクター間の連帯、つながり合うこと、それこそが社会に変化をもたらす。社会運動とは、民衆による新たな力を構築するオルタナティブである――。

こうした議論が当然のように進められていくこと自体が、私にとっては新鮮な驚きでした。分化した運動体をいかに関係づけていくかという問題意識が、前提のように共有されているのです。

この実習の意義は、まさにそこにあります。都市から周辺化された場所で、人々はどのように生きているのか。彼らの直面する問題を知り、また彼らの価値観に学び、人と人とのつながりを築いていく。つまりこの実習そのものが、社会運動におけるひとつの実践に他ならないのです。

MCCはコルドバ北西部にある七つのグループやコミュニティから構成される運動で、今回の実習はそのうち三ヵ所に分かれて行われました。私が行くことになったのは、クルス・デル・エヘという場所です。どこまでも続く乾いた草原の向こうには、地平線。走り回る犬、地面をついばむ鶏、七面鳥、水場に集まる豚、眠りかけの牛…。そこには、同じ時間が流れているとは思えない、静かな世界が広がっていました。

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