[情報] 反貧困集会「作られた対立を超えて」
―人間らしい暮らしを求めてつながろう―7・1東京集会
七月一日、「もうガマンできない! 広がる貧困 ―人間らしい暮らしを求めてつながろう―七・一東京集会」が開催された。
集会のテーマは「作られた対立を超えて」。生活に困窮する当事者が様々な立場から窮状を訴えた。
まるで戦死のよう
「厚生労働省の二枚舌に惑わされないよう、お互い手を結びあうことが大事」――愼英弘さん(四天王寺国際仏教大学大学院教授)は、在日無年金障害者の現状を報告した上でこのように語りかけた。
在日外国人のうち、一九六二年一月一日以前に生まれた障害者と、一九二六年四月一日以前に生まれた高齢者には年金が支給されていない。愼さんらは厚生労働省に働きかけを続けているが、政府は「本国政府が補償すべき」という立場で、裁判所もこれを支持してきた。「無年金者はたくさんいるが、学生障害者や専業主婦障害者の一部は『救済』された。無年金障害者を分断している」。
赤石千依子さん(しんぐるまざあずふぉーらむ)は、給食費を払えない家庭が増えているとされた報道について、「給食費未納は、その子どもや家庭が何か問題を抱えているサインだ。学校や文科省は母親の実態をつかんでいない。『親のモラルの低下』という偏見が作られている」と指摘した。
労働の現場では、生活できない程度の賃金しか得られない非正規雇用労働者の一方で、過労死するまで働かされる正社員の現状がある。壇上には双方の立場から報告者が上った。
「まるで戦死のようだ」――夫を過労死で亡くした中島晴香さんは怒りを込めた。憲法には「国民の義務」として「勤労」があげられている。「義務で殺されるなんてあっていいのか!」。
ゆうメイトとして働く黒田ゆかさん(仮名)。「郵便の仕事を覚えたら、正局員にならなくてもずっと働いていけるのでは」と思い、郵便局でアルバイトを始めたという。だが職場では、制服が支給されなかったり、作業の指導を拒絶されたりというイジメにあった。「正局員たちはアルバイトの私が仕事をできるようになると、職を奪われてしまうのではないかという不安に戦々恐々としているように見えた」という。