[海外] G8対抗欧州デモレポート/「やつらは貧乏人のことなど見向きもしない!」
ピエロから全裸パフォーマンスまで
五月二九日 ハンブルグで西部から出発した移民労働者と、スイスからの行進が合流。ハンブルグで財務相会議があり、街は市街戦となった。おまわりが威嚇射撃をしたら、牛乳をぶつけられたそうだ。新聞には一面黒ずくめの、四〇〇〇人のアウトノーメのデモ隊の写真が載っている。「おお すごい!いいねえ!ブラックブロック!」
新聞によると一〇〇〇人以上のけが人が出ているとのこと。放水車で追い散らされている人たち、倒れている人に集中して放水を浴びせている写真もあった。さらに全身を完全武装した警察によって袋叩きにされている人…。
しかし、人民も負けていない。凶暴化した警察に、ありとあらゆる手段で対決する。特に目を引いたのはロストックでのデモだ。ロストックではデモは禁止されていたが、それでもデモは敢行された。デモを封殺するために警察はピケを張った。完全武装の警察の後ろにピエロの集団が登場。そして警察といっしょに並ぶ。あれはなんだ?!
女性のピエロが「この花、つけてあげるね」と言ってる(そう見えた)。「えっ?」と、戸惑う警官。頭から足の先までヨロイで大きくなった身体に小さな花…。みんなで拍手を送り、記念撮影。
こっちのピエロは警棒ならぬペットボトルを持ってデモ隊を威嚇している。大爆笑!で、もう警備どころではない。
さらにオールヌード=スッポンポンの集団がピース旗を振り回して走っている。デモの先頭はトラックに大きなスピーカーを載せたサウンドデモ。労働組合は全員スクラムを組んで歩く。ピョンピョン跳ねて前に進む集団。わたしたちも一〇カウントで一斉に走り出した。各グループがそれぞれの方法で抗議する。
警察と激突しているグループも、デモの後ろで歌をうたいながらシャボン玉を飛ばしているグループもある。やり方は違っていてもそれはそれでいい。各々のグループのやり方はちゃんと尊重しよう、との姿勢がしっかりしていた。(釜ヶ崎パトロールの会 田川弘)