更新日:2007/06/18(月)
[海外] パレスチナ/正当な和平かアパルトヘイトか?
──家屋破壊に反対するイスラエル人委員会 ジェフ・ハルパー
リヴニとライスの計画 死んだ「二国併存案」
「二国併存案が無効となった今、イスラエル・パレスチナ紛争の政治的結果はアパルトヘイト体制である」―というのが、最近の私の主張である。
根拠になる事実はある。過去四〇年間、イスラエルは現実にパレスチナ国家樹立の可能性を潰す三〇〇余の入植地と、それを繋ぐバイパス網の建設など、元へ戻すことができない占領地支配を押し進めたことだ。
これら入植地の完全撤去を掲げる政治家はいない。国際的にも米国は無条件でイスラエル支持だし、二国併存を国連で可決した国際社会もイスラエルに譲歩を迫る意志はない。
二国解決がダメなら一国解決しかない。
つまり、一民族が他民族を隔離・支配するアパルトヘイト体制しかないのだ。ユダヤ人が支配するが、被支配民族とは縁を切りたいので、彼らを国家内牢獄「国家」(バンツースタン)に封じ込め、「自治」という名の間接支配をするのだ。これこそがまさに昨年五月に議会に「収束計画」として提案し、拍手喝采を受けた案である。これこそがまさに、ライス米国務長官とイスラエルのツィピ・リヴニ外務相が毎月のように話し合っている案である。
ロードマップ第二段階では、公共的地位協定までの中間段階として『暫定的領土を持つ仮パレスチナ国家樹立オプション』を提示しているが、リヴニはこれを最終的な形にしようと目論んでいるのである。
つまり、占領と暫定的国家の間の不安定な状態、国境も主権も国家経済もなく、イスラエルと入植地とバイパスによって分断・閉鎖され、中途半端な状態に永遠に凍結される「国家」パレスチナを目論んでいるのだ。
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