[社会] 「釜ヶ崎をなめるな!」闘う労働者たち
「住民票を返せ!憲法改悪の先取りに抗する集会」
五月二六日、エルおおさか(大阪市中央区)で「釜ヶ崎をなめるな!釜ヶ崎大量住民票削除につながるもの─俺たちの生きる権利・選挙権を返せ!憲法改悪の先取りに抗する集会」がおこなわれた(主催・同集会実)。
この集会は、これまでの釜ヶ崎住民票消除反対の闘いを振り返り、住民票取り上げと闘う労働者の訴訟を支援するもの。経過報告の後、住民票を消除され、大阪市に抗議した労働者・田辺康久さん(仮名)からの報告があった。
投票日当日、田辺さんは「投票所に行って、選挙権を取り戻そう!」とする支援者・労働者の呼びかけで、夜七時頃、投票所に向かった。田辺さんは釜ヶ崎内のドヤ宿泊証明を持っており、投票できるはずだった。選管職員はドヤに住民票を移す手続きをしようとした。「ちょっと待って。ドヤは仮の住まいだから、住民票はちゃんと落ち着けるところに置きたい」と田辺さん。「でも、住民票ないと投票できませんよ」と職員は取り合わない。
結局田辺さんは、投票ができなかった。「素直」に住民票をドヤに回復すれば投票はできた。しかし、「住民登録の適正化」だと一方的に住民票を職権消除したかと思えば、今度は投票を認めないことが「選挙無効」だと指摘されるのを恐れて「ドヤでも住民登録を認める」「投票締め切り時間まで時間がない場合、自己申告があればとりあえず投票はさせる」と言う大阪市。田辺さんは、「職権を振りかざし、その場しのぎで方針が変わる大阪市の姿勢」に我慢がならなかったのだ。
ドヤで住民登録できるなら、なぜ解放会館でできないのか。選挙権を取り上げたり、与えたり、子どものおもちゃじゃないのだ、と。
「私はずっと釜ヶ崎で働き、暮らしてきました。そんな私たちに、どうして市民権が認められないのか」。田辺さんは、投票させなかった大阪市を相手取った訴訟を準備中だ。