[情報] ADB京都総会対抗市民フォーラム/アジアを廃棄物植民地にするな
日米主導の有害廃棄物の国際市場計画NO!
アジア開発銀行京都総会に対抗して開かれた市民フォーラムは、シンポジウム・ワークショップ合わせて、のべ一〇〇〇人が参加し、予想を超える参加者を集めた。アジアから見える日本の姿は、食料・工業原材料をアジア各地から調達し、製品と産業廃棄物を「輸出」するという植民地主義そのもの。「開発支援」の実態は、安い労働力と原材料を求めて海外進出する日本企業の生産環境を整えるためのインフラ整備(道路や発電所建設)であり、当該国に金を貸し付け、利子を取り立てるという銀行業務なのだ。
この結果、「開発支援と貧困削減」を目的とするはずのアジア開発銀行は、現地の人々からNOを突きつけられている。そもそも利子をつけて返済させる融資事業に、「支援」の美名を冠していいのか?
市民フォーラムは、海外NGOとの交流でも大きな成果を生んだ。被害を受けている側からの告発は迫力と説得力がある。フルバリ石炭採掘問題(バングラディッシュ)では、五万人にのぼる強制移住への抗議デモに対する発砲で数十人の死傷者が出ており、その後も活動家の不当逮捕・拷問が続いている。フィリピンでは、「支援」の名の下にふくらみ続けている債務返済が優先され、教育や福祉予算が大幅に削られている現状も報告された。
また、タイやフィリピンとの間で結ばれようとしている経済協力協定の問題点も指摘された。同協定には、日本からの有害な産業廃棄物輸出が含まれており、アジアを「廃棄物植民地にするな」とのアピールが発せられた。(編集部)
貧困国に廃棄物を押し付け
「タイは日本のゴミ箱ではない」。ターラー・ブアカムシーさん(タイ・グリーンピース)は、増え続ける日本からタイへの有害廃棄物輸出に強い懸念を示した。
二〇〇七年四月、日タイ経済連携協定(JTEPA)に両国政府が署名。日本は国会で批准の準備が進んでおり、タイ政府も日本の批准後、閣議決定のみで批准が可能な状態となっている。
昨年一一月、ターラーさんらタイのNGOは、経済連携協定に有害廃棄物が含まれていることを知った。同協定が発効すると、リストにある廃棄物関税が一〇年以内にゼロとなる。日本からの廃棄物輸出が激増するのは明らかだ。
タイへには既に、注射針などの医療廃棄物・焼却炉からの廃棄物・電子部品などの有害産業廃棄物が持ち込まれているという。いずれも日本での処理コストが高いもので、「海外輸出」はバーゼル条約によって禁止されている。これが合法化され関税もなくなれば、結果は明らかだ。
今年四月三日には、タイのFTAウォッチ・グリーンピース東南アジアなどのNGOメンバー約一〇〇人が、日本大使館前で抗議行動を展開。JTEPA批准中止を求めた。グリーンピース活動家たちは、「毒物」と書かれた樽型容器を積み上げ「タイは日本のゴミ箱ではない」と書かれた横断幕を掲げた。
同様の協定は、フィリピンとの間にも結ばれている。