更新日:2007/06/16(土)
[海外] 中国進出の松下電機でカドミウム汚染?!
香港NGO、グローバリゼーションモニターは告発する
「『人民利益高利潤』(企業利益より人々の生活を優先させる)が『もう一つの世界』の原則です」。 區龍宇さん(五〇才)は香港で、中国進出企業の労働問題や公害を調査研究するNGO=グローバルモニターの編集スタッフだ。ADB(アジア開発銀行)京都総会に合わせて来日した。ADBによる対中国融資は、被融資国中トップで、全体の一五%を占める。ADBは、様々な中国プロジェクトの成功を謳うが、「事実と違う」と區さんは言う。「河南省の上下水道事業では、現地ヒアリングで九五%の住民が了解したと報告されているが、あり得ないことだ」と言う。報道の自由も結社の自由もない中での「了解」は、ねつ造された可能性が高いからだ。
グローバルモニターは、シアトルでの反WTO抗議行動(一九九九年)の後、新自由主義グローバリズムに抗するための調査・研究機関としてスタートした。自立系労組組合員への教育活動を行いながら、〇四年頃からは、中国大陸に進出したグローバル企業で発生する労働問題・公害問題を調査・告発している。
最初に取り組んだのが、香港資本である「金山工業集団」が起こしたカドミウム被害。四〇〇人以上の労働者(主に女性)が被害者となっている。出稼ぎ労働者のしかも女性が争議の中心となったということで中央電子台(日本のNHKに相当)を含む中国国内のメディアも大々的に報道。カドミウム被害がクローズアップされ、他の工場へも波及した大争議だ。
かつて国内外を驚かせた日本のイタイイタイ病公害事件は、このカドミウムの中毒が原因である。告発から三年経った今も解決を見ていないという。
區龍宇さんに、日系企業・無錫松下電池有限公司でのカドミウム被害について話を聞いた。(編集部)
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