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更新日:2007/05/16(水)

[情報] ガマンできない!広がる貧困 3.24東京集会

ウイメンズプラザ超満員「つらいのは自分だけじゃないんだ」

「その瞬間、私の母親への愛情は砕け散ったのです」苦悶の表情で搾り出された壇上の言葉に、客席のあちこちからすすり泣きがこぼれた。

語るのは三〇代のフリーター。奄美大島から上京したが正社員の仕事にありつけず、やがて日雇いの重労働で腰をやられた。ヘルニアを完治させる金も時間もないまま、ただ食うためだけに働いた。石川県まで片道一二時間を車で往復し、一二時間働いてわずか一万円の仕事も請けた。ミュージシャンになる夢はいつしか消え去った。雨の日も雪の日も働いて、その年の暮れに残ったのはたった三千円。ついに耐えかねて実家に五千円を無心したとき母は言った。「遊んでばかりいるからだ。頑張っていればそんな事になるわけない」。

のっぴきならない厳しい生活

三月二四日、東京青山のウィメンズプラザで行われた『もうガマンできない! 広がる貧困─人間らしい生活と労働の保障を求める三・二四東京集会』でのひとコマだ。彼のようなフリーターのほか、多重債務者やDV被害者といった「社会から見捨てられた人々」が、順に実体験を語っていった。

会場は吹き抜けの二階席まで含め満員。全二四六席のところに四〇〇名以上が押し寄せた。男女比はおよそ七対三。若者から老人まで、あらゆる年齢層の人々で通路までぎっしり立ち見状態。おそらく消防法の規定は完全に超えていよう。閑古鳥が鳴き動員に頼る集会も多い中、特筆すべき参加者の多さだ。後で主催者に確認したところ、告知が遅れるなど開催前には不手際もあったという。それでもこれだけ集まった。

場内は異様な熱気で息苦しい。人数が多い事もあるが、むしろ人々から負のオーラが漂っている印象だ。ここに集まった者たちの置かれた立場が、いかにのっぴきならない状況であるかがよくわかる。格差社会の問題点について毎日のように報道されているが、聞くのと実際に見るのとではえらい違いだ。体験すれば、なお違うだろう。

生活費を一円ももらえず闇金に手を出した、三才の子どもを抱える主婦。交通費も出さないくせに、意味不明な名目で少ない手取りからさらに天引きする派遣会社の実態。外で買えば安い作業着を、不当な儲けを上乗せしてバイトに買わせる会社。小説か誇張と思うような驚くべき内容にも、客席にざわめきは起こらない。その言葉の真実を実感できる者ばかりだからだ。

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