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アッバス大統領
更新日:2007/05/15(火)

[海外] パレスチナ/米国、イスラエル、ファタハによるクーデター計画
セルジオ・ヤハニ(ニューズ・ウィズイン 2月号の部分訳)

イスラエルと米国は、政治的制裁と経済的封鎖という力でハマス主導PA(自治政府)を倒そうとした。筆舌に尽くしがたい困難な生活にもかかわらず、選挙でハマスに投票した民衆は政権を支持、ハマスPAの正統性が維持された。

このためイスラエルは軍事力を投入した。二〇〇六年六月からガザで激しい軍事攻撃を行い、同年後半には「夏の雨」作戦と「秋の雲」作戦を行なった。この作戦で四〇〇人以上のパレスチナ人が殺害され、一二〇〇人以上が負傷した。それでもハマスPAは潰れず、作戦は結局休戦で終わった。

軍部のガザ作戦失敗の後、首相と米政府はB計画へ切り替えた。B計画とは、パレスチナのアッバス大統領に軍事行動でハマスを倒させて政権を掌握させる画策である。

二〇〇六年一〇月一五日付け『イェディオト・アハロノト』紙は、米政府が選挙で選ばれたハマス自治政府に代わる「民主主義的オルターナティブ」政府を作り出すために四二〇〇万ドルを拠出したことを報じている。

その計画には、アッバスに忠実なファタハに政治戦略教育を施し、ハマスに対立する政党やメディアを作り出し、さらにアッバスPLO議長直属の「フォース 」という保安隊を四五〇〇人から六五〇〇人に増大させ、それをエリコの軍事キャンプで米軍指導者が訓練すること、などが含まれている。

同年一一月三〇日の『ハアレツ』紙は、「ガザ回廊で大統領保安隊とハマス武装民兵を衝突させるのが米国の目的である」、と報じた。パレスチナを担当する軍事コーディネーターであるケイス・デイトン米軍少将が、ロンドンでカルテット(EU、国連、露、米の四者)代表と会い、「フォース 」を使ってハマス政府を打倒する計画を話し、そのための支援金として二六〇〇万ドルの拠出を要請したと伝えている。少将の任務は、アッバスの軍事的立場を強化し、イスラエルとエジプトにアッバスを支援させ、ハマスを打倒させることである。

『ハアレツ』によれば、一二月二八日、エジプトが大量の武器弾薬をガザのファタハ系PA保安隊に届けるために、イスラエル検問所を通過した。イスラエル公認の武器支援である。ファタハ系保安隊はそれを否定しているが、『ハアレツ』は、これはオルメルト首相とアッバス議長の会談の中で決められたことだと伝えている。

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