[社会] 釜ヶ崎/労働者住民票消除反対の闘い
「違憲性について再検討必要」(市民局)いよいよ市長の最終判断へ
「三週間というのは、あまりに性急すぎます。最低でも一年間は必要です」。今月九日、釜ヶ崎労働者と大阪市との交渉の席で、簡宿(ドヤ)組合(大阪府簡易宿所生活衛生同業組合)の西口宗宏さんが発言した。
大阪市は、二日に「住民票消除は三週間延期する」と発表。釜ヶ崎労働者は、@なぜ三週間なのか、A三週間たったら、具体的に何をするのか、B出張や長期入院等で、釜ヶ崎を留守にしている労働者には、どうやって知らせるのか、の三点について申し入れした。
九日に大阪市が回答したのは、@三週間が妥当かどうかは、選挙があるから(三月三〇日が大阪市会議員選挙の告示日)、A三週間後については、具体的には決まっていない、Bこれまで四回、文書を送付しているし、ポスターなどで周知徹底する、というもの。
「急に削除することないだろう!」「選挙権奪われた人はどうなるんや!」労働者から追及の声が上がっても、「大阪市としては違法な住民登録を適正化する方針だ」「影響がないように、(ドヤでも登録できるという)新しいルールの周知を三週間でおこなう」の繰り返し。
そこに、大阪市のいう「新しいルール」を担う簡宿組合・西口さんからの証言は、大阪市のデタラメさを告発するものだった。
「私たち簡宿組合は、住民登録のルール作りについて大阪市との話し合いをしてきました。でも、この件(周知期間が三週間という)で市の方から話を持ってきたことは一度もありません」。西口さんは、大阪市のこの日の発表が、簡宿組合に頭越しになされた事実も指摘した。
最後に西口さんは、「一方的な住民票消除は、労働者から仕事と権利を奪い、野宿の固定化につながる。地域の安定と発展につながらない」と締めくくった。
「そうや、そのとおり!」「よう言うてくれた!」会場の労働者から、拍手喝采が起きた。大阪市は、内幕をさらされ、まともな回答が出てこない。「ご意見は、上に伝えておきます」とこぼすのが精一杯だった。