人民新聞オンライン

[海外] 全米ワシントン反戦集会／50万人市民がデモ
ワシントン　羽仁初江

参加者の多さに警察がコース変更を認める

滞在中のワシントンＤＣで反戦集会とデモが行われることを知ったのは、集会のちょうど一週間前だった。主催団体であるUnited for Peace and Justice（平和と正義のための共同行動）のウェブサイトに二七日（土）の集会とそれに続く議会へのロビー活動の予定が書き込まれていたのだ。

アメリカの運動団体については全く知識がないものの、かなり大規模な集会になりそうだ。それにしてもポスター・ビラ等が街中に見られないのはちょっと不思議な気がした。

当日、集会は午前一一時から開始、デモ出発は午後一時からの予定だった。集会会場は国会議事堂前のモール（細長い芝生の公園）の一角だが、面積から考えると二〜三万人は入れそうだ。前日までの厳しい寒さとは打って変わって、朝からおだやかな陽気に期待もふくらむ。

最寄りの地下鉄駅に着くと、ピンク色のコスチュームに身を包んだ女性団体（Pink Code）の前段集会が始まっていた。駅前広場に五〇〇人近く集まっている。片足の膝から下を失ったイラク帰還兵（男性）のスピーチなどがあり、「すべての兵士を帰せ！」のメインスローガンのもと、そのままモールへ移動。もう集会は始まっていて、かなりの数が集まっている。ステージへは人だかりができて近づけない。

会場を歩き回っていると、女性・労働者・学生・社会主義者・パレスチナ支援グループなど、様々なグループから参加している人たちに会うことができた。話をすることはできなかったが、ベトナム戦争の元帰還兵（ベテラン）の参加者も多くいた。

全米からの集会参加が呼びかけられていたが、実際には中西部以東の州からの参加が多かったようだ（当日、カリフォルニアやテキサスなど全米二〇カ所以上で集会が行われた）。

参加者は色とりどりのプラカードを掲げている。「ブッシュを戦争犯罪で弾劾！」、「うそはもうたくさん」、「戦争より教育にお金を」、「イスラムへの人種差別戦争反対」、「イランとの戦争反対」など。 団体からの参加者だけではなく、個人でワシントンＤＣにかけつけた参加者も多かった。

手書きのプラカードの周りには、カメラの人だかりと自作スローガンの説明を聞き入る人たちとで賑わっている。イラクに派兵されている息子の写真を貼ったプラカードを持った人もちらほら見える。「ブッシュの娘を戦場に」というメッセージも。鳴り物で踊っている若者のグループや、ブッシュ・チエイニーに扮した人たちが連行されていくパフォーマンスなど、会場周辺は盛り上がる一方。

「女性参政権も公民権も議会を動かしたから実現したのです！今からでも遅くはありません！」　ステージからはジェシー・ジャクソン、ジェーン・フォンダ等から力強いメッセージが届けられ、盛り上がりは最高潮に達した。