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更新日:2007/03/03(土)

[海外] パレスチナ/イラン・シリアへの隔離政策はパレスチナ問題を解決しない──対話と民主主義を求めるパレスチナ・メディアMIFTAH ムーサ・クース

中東に対立を持ち込まず、対話せよ

今やパレスチナは内戦寸前だが、この危機を、米国が中東地域にもたらした分極化状況と切り離して考えることは不可能となった。ブッシュ米政権は中東地域を「穏健派」アラブ諸国とイランやシリアのような「悪の枢軸国」に二分した。この二極間の対立がレバノン、イラク、パレスチナで具現化したが、それはブッシュの誤れる外交政策の結果である。米国はイランとシリアを(北朝鮮と並んで)「悪の枢軸」と分類して、両国を外交的に隔離するボイコット政策をとった。そうすれば両国が少しは強硬姿勢を軟化させるかもしれないと期待して。結果は逆であった。シリアもイランも対米姿勢を強硬化し、中東地域での影響力を強めた。最近のイスラエルのレバノン侵攻では、両国の支援を受けたヒズボラが戦闘面ばかりでなく、人民からの支持という点でも強力で、イスラエルは所期の目的を達成することができなかった。これはイスラエルと米にとって予期せぬ結果であった。

しかしパレスチナでは米の分断政策が大きな影響を発揮している。昨年一月ハマスが議会選挙で勝利を収めると、ブッシュ大統領はハマスのパレスチナに分断政策を適応した。ハマスが三月末に組閣すると、米国とイスラエルは新政権ボイコット・キャンペーンを呼びかけ、ヨーロッパと「穏健派」アラブ諸国が同調した。

そもそも米国が故アラファト時代に、「民主主義的選挙を行なえ」と喧しく要求していたのだった。占領下という異常な中で見事に民主的選挙をやったにも関わらず、米とイスラエルは、結果が気に入らないとして横を向いたのである。選挙で選ばれたハマスに統治能力があるかどうかを試す機会すらも与えたくなかった。

彼らは、ハマスPA(自治政府)を外交的・財政的に締め出し、経済封鎖を強行、米の圧力でいわゆる「穏健派」アラブ諸国にもハマスのパレスチナに背を向けさせた。ハマス・パレスチナに援助の手を差し出した中東の国はイランとシリアだけであった。

さらに、米国、ヨーロッパ、一部アラブ諸国は、ハマス政府からできるだけ権限を剥奪しようとしてハマスと対立するアッバス議長(ファタハ)派を、穏健勢力として積極的に支援する。保安部隊とメディアを掌握する議長は、ハマス民兵の解体を要求し、両者間で銃撃戦も起きている。西欧列強は、国際社会からのパレスチナ援助金を政府ではなく、大統領(議長)の方へ流れるように仕向けて、両者の対立を必要以上に煽り高めている。

しかし、この西欧列強の支援は必ずしもアッバス議長に有利に作用しているとは限らない。西欧列強がアッバス議長の保安部隊に金を出したり訓練したりすることは、かえってパレスチナ住民の間のアッバス人気を落としている。

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