人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事
更新日:2007/02/20(火)

[海外] 米国/なぜ人々はイラク増派に反対するのか/米国・イリノイ州在住 木由左史

現実を見据え立ち上がる米市民たち

一月一〇日、ブッシュ大統領が、イラクへ二万人の兵力増派を発表。直ちに、「増派反対!」の声が、議会と市民の間から猛然とわき上がった。

ただし、反対の内実には、議会と市民で決定的な断差がある。

先ず、議会。「民主・共和の超党派グループは一七日、対抗決議案を相次いで提示。ヒラリー議員は、イラク新政策を『必ず敗北する戦略』と批判したうえで、イラク派兵規模を一月一日現在の水準にとどめ、増派は、議会の承認を義務付けることを対抗決議案に盛り込んだ」(CNN・一月一八日)

次は軍人。「ペリー元国防長官は一七日、『米軍部隊を追加配置しても、前向きな結果は生まない』とのケーシー多国籍軍司令官らの発言を引用し、「成功しそうもない」と批判した。(Asahi.com・一月一八日)

つまり、「技術的に上手くいかないから反対だ」と言っているに過ぎない。

そもそもブッシュ政権のイラク侵攻の大義とは、@サダム・フセイン元イラク大統領は大量破壊兵器を保持し、A核兵器開発の計画をもち、B米国本土にミサイルを打ち込む差し迫った脅威を有し、Cアルカイダと関係をもった可能性がある、だった。しかし、いずれも事実でなかったと、ブッシュ大統領も認めた。 

ブッシュ政権が事実を誤認したのか、嘘をついたのか?当時の政府の非公開文書を検証しなければ判らない。しかし、誤った判断で起こした戦争には間違いない。

前述の超党派グループの対抗決議案や多国籍軍司令官の発言には、「誤った開戦理由で始めた戦争」という事実に向き合い、抜本的に見直そうとする姿勢はない。

「増派ではなく撤退を!」代案の方向示す市民たち

一方、市民の反応はどうか。

イラクへの増派計画について、米国民の約七割が反対していることが、AP通信などの世論調査で明らかになっている。

兵力増派が発表されるや、全米規模で「増派反対」の緊急集会が呼びかけられ、一月一一日、つまり翌日の夜、全国で五〇〇以上の集会が開催され一〇数万人が参加した。(MoveOn.org Political Action: Democracy in Action

二四時間で、これだけの人びとを動員できたのは、インターネットの威力に違いないが、人々の参加動機も重要だ。集会参加者の意見を紹介する。

■自分は一人ではない!公共の場に集い、発言を

アーリントン・ハイツ市の増派反対の緊急集会には一二五人が参集しました(通常は二十数名)。私たちは、交差点の一角に立ち、『イラク増派反対、直ちに撤退せよ』のプラカードを掲げました。多くのドライバーは、支持を表すたのに警笛を鳴らしたり、あるいはVサインで応えてくれました。

『ブッシュ/チェイニー』のバンパー・ステッカーと星条旗を立てた自動車の運転者は、友好的とは思えない言葉で怒鳴っていましたが…。

状況は変わりました。何故、人は集会に来たのか。自分は一人でないのを発見すること、それが理由です。政治的立場を表明することに寛容でなく、異議を認めない既存メデイアに対して、私たちは、公共の場に集い、発言することで対抗します。わたしたちは、共に、人間性を保つ力を持っていることを思い出し、目覚め始めています」(ハル・シンダー・増派反対緊急集会の呼びかけ人)

続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
[HOME]>[ 海外 ]


人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.