人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事

なすびさん(山谷労働者福祉会館にて)
更新日:2007/02/20(火)

[情報] 下層からの反グローバリズム運動

「もたざる者」の国際連帯/山野労働者福祉会館活動家委員会より

もう、たくさんだ!」―新自由主義との決別を訴えて1994年1月に武装蜂起したサパティスタ民族解放軍が 「われわれ持たざる者は無数にいる」(ラカンドン密林宣言より)と、もたざる者の連帯を世界に呼びかけた。

「もたざる者」とは、日雇・野宿労働者、非正規・不安定雇用労働者、移住労働者、失業者、障害者、民族的マイノリティ、性的マイノリティ、獄中者(支援者)など、社会的排除を受ける多様な人々を総称する。日本でもようやく「もたざる者」は言葉としても認知され始めてきた。

もたざる者の国際連帯行動を呼びかけたなすびさん(山谷労働者福祉会館・活動家委員会)に話を聞いた。(編集部・山田)

注目すべきアジアコミュニティ活動

本日本における「持たざるもの」の反グローバリゼーション運動は、二〇〇三年一〇月に「『持たざる者』の国際連帯行動」として産声を上げました。スローガンは、「戦争と新自由主義グローバリゼーションにNO!」「社会的排除に抗して国境を越えた連帯を!」。

以来毎年一一月には、社会的排除と闘う多様な団体・個人が一堂に集まり、各々の課題の垣根を越えて、共通の背景である新自由主義の暴力と不公正な社会に抗議する集会・デモを行っています。

二〇〇三年、ポルトアレグレで行われた世界社会フォーラム会場で「もう一つ」の世界フォーラムが行われました。「声なき者の第一回世界会議」です。企画したのは、MNLM(ブラジルのホームレス支援運動)とNO―VOX(フランス・声なき者)。世界社会フォーラムのような民衆運動ですら大きなNGOが全体を取り仕切り、グローバル化の最下層で呻吟している人たちが切り捨てられているのではないか?という問題意識でした。日本のもたざる者の運動は、寄せ場の運動から生まれました。日雇い労働者・野宿者は、「市民運動」からも排除されてきた歴史と現状があります。

さらにこの時期は、寄せ場運動全体がNPO化して世間の認知を得て活動するというの流れもありました。人が日常的に死に追いやられている現実を目の前にして、現実的解決能力を持とうとしたのです。しかしNPO化は、片面では行政・自治体の下請け機関化です。

「野宿者がなぜ生み出されていくのか?野宿者を生み出すシステム全体を問題にし、切り込むような運動でなければならない」との問題意識もありました。

根本的な問題解決に向けてシステム全体を視野に入れた共同の取り組みという枠組みが「もたざる者」という言葉で提起され、「もたざる者」として横につながる基礎が生まれました。

「もたざる者」という言葉や考え方は、数年で日本でも定着し広がっています。しかしこの変化は、運動の発展というより、新自由主義改革がそれぞれの生活レベルにおいて深刻な問題になっているからでしょう。

障害者自立支援法はその典型です。戦後積み上げてきた諸権利を新自由主義的価値観で丸ごと変えてしまうような内容なのですから。

格差社会の定着は誰もが危惧する問題となりました。先進国の中が階層化され、最貧困層が定着する時代に入っていることの反映です。

続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
[HOME]>[ 情報 ]


人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.