更新日:2006/12/26(火)
[海外] パレスチナ封じ込めに成功したイスラエル
──9/11 ガッサン・ハティーブ(ビター・レモンズ記者/元PA計画相)
9.11がパレスチナにもたらしたもの
パレスチナの大義は九・一一の犠牲となった。先ず第一に、九・一一のおかげでイスラエルは、占領に対するパレスチナ人の正当な闘いと弾圧への抵抗を、「テロ」に仕立てあげることができた。イスラエルは前々からパレスチナ人の反占領闘争を不法なものだと、米国やヨーロッパ諸国、特に西欧社会の世論に信じ込ませようと懸命だった。自らの暴力は、「パレスチナ人の暴力への報復で、やむを得ない自衛措置だ」と主張してきた。
以前にはこういうイスラエルのデマ宣伝は限られた成功しか収めなかった。世界の国々の政府や国民が、暴力の悪循環はイスラエルの不当な占領から起きることを理解していたからだ。だからこそ、マドリッド会談からロードマップに至る国際社会の和平努力には、絶えず和平実現の手段として占領終結の必要性を記している条項があったのである。
しかし、九・一一事件とその後アル・カイーダのテロ報道が続く中で、イスラエルのプロパガンダ ― パレスチナ占領を西側自由世界とテロとの戦いの一環と位置づけるデマ宣伝 ― が世界から受け入れられていった。
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