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更新日:2006/11/29(水)

[海外] 米国/威信失墜・国連総会でベネズエラに勝てず

35回の投票も米国案通らず
──キューバ円卓会議共同代表 樋口篤三

今秋一〇月、国連安全保障理事国の非常任理事国のうち五ヵ国改選で、四ヵ国はすぐに決まった。だが中南米地域では、アメリカが「親米」のグァテマラを強く推したが、「反米」のベネズエラ(キューバと強く連帯)が対抗立候補。何度投票しても当選に必要な投票国の三分の二以上の賛成を得られなかった。

一〇月一八日 二二回目の投票、グァテマラ一〇二票、ベネズエラ七七票

一〇月一九日 三五回目の投票、一〇三対八一でまたもや持ち越し。米案は一票増に対しベネズエラは四票増。

三五回投票、しかも決まらずというのは、おそらく国連発足以来のことであろう。

この地域=中南米は一〇〇年間、アメリカが「裏庭」として支配し、植民地従属国とした地域であった。米州機構(OAS)は、「キューバを除いて」、いつでも何でもというくらい、一方的に米主導で決定されてきた。

カストロ・キューバは、唯一異端の社会主義国で、「ならず者国家」「圧制の拠点」として包囲孤立させられ、一九五九年革命直後より打倒解体の対象とされてきた。

その「永久不変」といわれた力関係の変化は、二一世紀に入ってからである。発端は一九九八年のベネズエラ大統領選でチャベスが勝利し、ついで二〇〇〇年の憲法改正後も再選されたことだ。

チャベスは革命キューバを先進モデルとして、ラテンアメリカ独立革命の父・ベネズエラ出身のシモン・ボリーバルの理想を高く掲げた。米国支配からの独立、米型二大政党制の打破と構造的腐敗の一掃、富の平等分配を掲げて、国民の八割(二〇〇〇万人)をしめる貧困層の絶大な支持をうけたのであった。

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