更新日:2006/11/29(水)
[海外] 中国/社会の矛盾解決を目指す「下からの」動き
注目すべき動き
「改革開放」「先富論」の下に、金儲け第一主義がまかり通る一方、沿岸部と内陸部、都市と農村の格差は拡大の一途をたどる中国。社会主義の建て前にもかかわらず労働者保護は後手に回り、法律や制度ができても権力構造に阻まれて実行力が伴わない。計画経済時代の戸籍制度が惰性で存続し、現実に見過ごせない矛盾があるにも関わらず、対症療法しか採れない――。
こうした中で人々は、自らを、そしてお互いを守るための「横のつながり」、つまり一種のアソシエーションを求めざるを得ない。ただ、中国では、長らく党や国家がアソシエーションを圧倒してきた弊害として、アソシエーションよりも、むしろ、宗族や宗教といった旧来の共同性が復活し、幅を利かせる傾向が強い。
いずれにせよ、党や国家にとって、共同性なりアソシエーションは「両刃の剣」であり、民衆統制の一環として、あるいは、公権力が包摂できない(しようとしない)領域を補完するものとして必要ではあっても、それ自体が独自に展開することは許容できない。まして「法輪功」事件のように、党や国家の権威に挑戦するかのような動きは、絶対に放置できないのである。
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