更新日:2006/11/12(日)
[海外] アメリカ中間選挙/電子投票に不正の危惧
信頼する以外に方法がないシステム
二〇〇〇年大統領選のフロリダ州の大混乱を教訓に、〇二年一〇月、投票支援法(the Help America Vote Act)が発効した。パンチ・カードのようなアナログ票のトラブルを電子投票で解決するため、〇六年迄に、三九億ドルを費やして、全米規模で電子投票システム導入を義務付けた。
しかし、電子投票システムに懐疑的な人々が急速に増えてきており、開票・集計方法の透明性を求める声は、九・一一テロ事件直後のブッシュ政権支持率を上回る勢いだ。
「市民は、投票・集計経過について全ての情報を得る権利がある」と九二%が回答し、「市民がチェックできない会社・ベンダーが機密ソフトウエアを使用し、外部の立会い者もなく秘密理に投票が集計されることに反対である」と八〇%が回答している。
集計データ・ベースに蓄積された投票データが、どのように集計されていくか、人間は確認できない。さらに、たとえソース・コードが開示され、テストが十全に行われたとしても、プログラムの無誤謬性は証明出来ないというのがソフトウエア・サイエンスの定説だ。
イリノイ州に導入された電子投票システムでは、全ての投票記録がペーパーに残ることになっている。光学式投票機の場合は、マークを入れたカードが記録ペーパーとなる。またタッチ・スクリーン投票機の場合は、投票した候補者の名前がプリントされ、投票者が確認できる。確認した旨のボタンを押すと、そのペーパー・テープは、投票機の中に丸められていく。
投票の記録が紙に残るので、一見、再開票も問題なしと思える。が、コンピュータ内部の記録と、ペーパーの記録が一致するか否かは保障の限りではない。私達に出来ることは、信頼することだけだ。
大統領選での集計操作?
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