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大変な課題を前にしたときこそ歌と踊りを忘れない沖縄の闘争。座り込みテントには「生活感」すら醸し出す。
更新日:2006/11/12(日)

[情報] 沖縄、パトリオット配備阻止闘争
──土井智義

根底からの軍隊批判

北朝鮮の軍隊によって地下核実験が行われてからというもの、日本の主要なメディアでは「制裁」「入国拒否」などといった勇ましい言葉が立ち並び、空恐ろしい排外主義的な空気が蔓延している。

一方、ちょうど同じ頃の沖縄において民衆が非暴力直接行動によって、日米両政府が策定した在日米軍再編の一環である米陸軍・地対空誘導弾パトリオット・ミサイル(PAC3)の嘉手納基地配備計画を、警察に強制排除されるまで二日間もストップさせていた。だが、この事実は主流メディアにおいて完全に黙殺された。「北朝鮮」をダシに米軍再編や日本の軍備拡張が叫ばれるなか、この沖縄の経験は鋭く状況を批判する力となりうるに違いない。

  ※   ※

ひとまず事態のいきさつを簡単に書きとめておきたい。

九月二九日午後一一時半ごろ、PAC3の関連装備品などを積載した民間大型輸送船が那覇軍港に接岸。基地周辺の議会や首長が一斉に反対を表明するなか、一〇月二日未明から五日未明までの四日間、毎夜のこと数十台もの軍用車が、沖縄本島の幹線道路である国道五八号線に列をなして装備品を嘉手納基地へと搬入した。

市民グループなどを中心とする住民たちは、連日監視行動や抗議行動を行ったが、多くの人びとに不安や恐怖感を与えながら装備品の搬入は強行された。

さらに一〇月九日午前八時ごろ、PAC3ミサイル本体二四基などを積載した輸送船が本島中部の天願桟橋に入港。しかし、前日八日の夜から桟橋ゲート前に結集した住民たちが、作業のために桟橋に入ろうとする米軍車両を阻止し、米軍の作業を完全に中断させたのである。阻止行動は、米軍と那覇防衛施設局の要請で県警が機動隊を投入するまでの二日間、夜を徹して続けられた。

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