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アレックス・ジョーンズと 『Loose Change』の監督の一人、コリー・ロウ


フルートの演奏をする筆者
更新日:2006/10/31(火)

[海外] アメリカ/5年目のグラウンドゼロ
──きくちゆみ

高まる再調査の声

九一一事件から五年経った九月、私は初めてニューヨーク行きを決意した。ニューヨーク、そして世界貿易センタービルは私にとって思い出深い場所。二八歳まで米銀の東京支店で債券ディーリングの仕事をしていた。本店は世界貿易センタービルのすぐ近くにあった。NYにくれば必ず世界貿易センタービルに登った。

それが跡形もなく消えた。三〇〇〇人ものいのちと共に。

私はここに来るのが怖かったのだ。

*  *  *

ここに来て、ここで祈り、一〇月七日に東京で「九一一真相究明国際会議」を行うことを伝えなくてはならなかった。スピリットに許しを乞う必要があった。グラウンド・ゼロにはまだ亡くなった人たちのスピリットが渦巻いている。静かに祈り、声なき声に耳を澄ます。彼らが真実を求めているのを、感じる。

追悼式典が始まる前に、アメージンググレースをフルートで演奏した。こんなことで魂はやすらぎはしない。それでも私の気持ちを伝えるにはこれが一番だ。彼らが求めているのは、彼らの死を理由にした「対テロ戦争」という新たな殺戮と市民の自由を奪う政策(政府)が終わること、そして真実が明らかになること。

流布された「物語」

最初の飛行機が突っ込んだ午前八時四五分に追悼式典が始まると、犠牲者の家族が、一人一人愛する故人の名を読み上げる。「私の愛する夫よ、あなたがいなくなって寂しい。今も愛しています」と。

私の心は叫ぶ。

「あなたの愛する人は、本当は誰に殺されたのか知っていますか」と。

ここに集っている人たちは知る由もない。政府が用意し、マスコミが周到に流布した物語がすでに定着している。主犯はオサマ・ビン・ラディン、実行犯は一九人のアラブ人テロリストたち。その内七人は今でも生きているというのに、流布した物語は変わらない。

式典が始まってまもなく、世界貿易センタービルからちょっと離れたバーガーキング前の広場に「Investigate 911(九一一を調査せよ)」と書かれた黒いTシャツを来た人たちが集い始めた。中には九一一事件の真相を当初から追及しているジャーナリストのアレックス・ジョーンズ、『LOOSE CHANGE』(九一一映画の最高傑作)の映画監督の三人の姿も。その数はドンドン増えて、一〇〇〇人を越え、最終的には二〇〇〇人のデモとなった。

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