[海外] パレスチナ/イスラエルの戦争犯罪に抗議
──AIC(オルタナティブ・インフォメーション・センター)
イスラエルの侵攻占領に抗する国際連帯行動を強めよう
パレスチナ非政府組織ネットワーク(PNGO)の主催で、市民団体、政治グループ、政党などの代表がラマラで集会、イスラエル軍(以下「イ軍」と略)のガザ攻撃、レバノン攻撃、パレスチナ人とレバノン人に対する残虐行為について話し合った。その内容を報告する。
イ軍の軍事行動は、自国兵が捕われたことへの報復以上の目的である点が強調された。パレスチナ戦線では、パレスチナ社会のインフラ破壊という包括的戦略の一部で、パレスチナという集合体を弱め、国家への発展の希望を挫くことにある。イ軍の攻撃は、パレスチナ人のコンセンサスを表現した民族和解文書(囚人文書)の発表に合わせて行なわれたことに、その意図がはっきり表れている。
イ軍の残虐行為を見れば、彼らがいかにパレスチナ人の生命を軽く見ているかがよくわかる。九〇人以上が殺害され、数百人が負傷した(ほとんどが女性と子ども)。そのうえ、発電所などを含むインフラが完全破壊され、ガザは食料や医薬品不足で、人道主義的危機に陥っている。
レバノン戦線では、イ軍の野蛮で過酷な攻撃がすべてを物語っている。レバノン地域を屈服させ、イスラエルと米国のヘゲモニーに従属させることが目的である。
即時停戦を求める国際社会の努力は、すべて米国の反対で潰れた。イスラエルの攻撃をやめさせる国連安全保障理事会決議に対し、米国は拒否権を行使した。さらに、何ヵ国かが交渉による解決のために仲介役を申し出ているにもかかわらず、イスラエルは捕虜交換を拒否し、捕われている自国兵の運命も無視している。
こういう展開に照らし、「オスロー、そして後のロードマップで提起された政治的枠組みはまだ有効かどうか」という問題も討議された。
イ軍の無差別殺戮、徹底的インフラ破壊、一般市民に対する非人道的危害などの戦争犯罪は、和平プロセスを事実上廃棄宣言するものである。交渉主体たる自治政府が存在しているかどうかわからないほど弱体化し、選挙で選ばれた議員や役人が大勢イスラエルによって逮捕され続けているのを見る時、「もうオスローもロードマップも終わった」と考えざるを得ない。
こういう状況では、第四回ジュネーブ会議の決定を西岸地区(東エルサレムを含む)とガザ回廊に適用して、国際社会によるパレスチナ人民の保護を要請する以外に道はない。G8は、イスラエルのガザ・レバノン攻撃に対し、またもやイスラエルの言い分を取り上げ、イスラエル贔屓の決議を出した。このことは、国連憲章及び国連総会決議に基づく方針を国際的に正統とする政治的枠組みが必要であることを、改めて示すものである。
アラブ・イスラエル紛争の正しい解決は、中東地域のすべての人々の利益を保障し、上記の国際的正統性に基づくものでなければならない。国際的正統性を通して紛争を解決し、地域を安定させるべきである。即時停戦、およびイスラエルのパレスチナとレバノン侵攻中止への努力は、このような観点で行なわれなければならない。従って、現在の危機を終わらせるための国際社会の努力には、問題の本当の原因を取り上げて検討する機会が与えられるべきである。