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国際民衆法廷の会場の様子
更新日:2006/08/24(木)

[情報] 原爆投下を裁く国際民衆法廷/トルーマン元米大統領有罪

他者の責任を曖昧にする者は、自らの責任も曖昧にする

「平和・反核・祈り」の八月がきた。

核廃絶を一般論として否定する人はいない。広島・長崎への原爆投下は、誰でも非難する。しかし、「日本への原爆投下が、アジアの植民地支配からの解放を早めた」という声の前で、侵略国である我々日本人は、原爆投下を戦争犯罪として糾弾できるのだろうか?

七月一四〜一五日、広島平和記念資料館メモリアルホールで、「原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島」が開かれた。

これまで原爆投下は、「戦争終結を早めた」必要悪として肯定されてきた。米国にとっては、@無条件降伏を日本に受け入れさせ、A上陸作戦による米兵員の消耗を回避する攻撃として肯定され、日本政府も、@絶望的な本土決戦を避けることとなり、結果として多くの人命を救った、A北方からのソ連侵入による戦後日本の分割統治を避けられたなどとして、被害を受け入れてきたのである。

こうした原爆投下肯定論を検証し、原爆投下についての戦争犯罪、人道に対する罪、その他の国際法に基づく罪としてその責任者を訴追する裁判だ。

今回の民衆法廷の判事団は、レノックス・ハインズ教授(米国・ラトガーズ大法学部・国際民主法律家協会終身国連代表)、カルロス・ヴァルガス教授(コスタリカ、コスタリカ国際法律大学法学部、国際反核法律家協会副会長)、家正治教授(姫路獨協大学法学部・日本国際法律家協会副会長)。これに検事団五名とアミカスキュリエ(法廷助言者)で構成された。

民衆法廷では多くの証言と歴史的分析が行われたが、ポイントは二点に絞られよう。

第一は、「原爆投下が終戦を早め、結果としてより多くの人命を救うことになった」という肯定論の検証と、第二は、侵略国としての加害性と原爆投下の被害性を全体としていかに捉えるかだ。これは、先の「日本への原爆投下が、アジアの植民地支配からの解放を早めた」という肯定論と深く関わる問題である。アジアの植民地支配という悪行ゆえに原爆投下もやむなしという、アジアへの加害行為と米国からの被害を同列に置く考え方である。

法廷の構成


●告発者=被爆者・広島市民・長崎市民ほか、
●被告人=F・D・ローズヴェルト前米大統領、H・S・トルーマン前米大統領ら原爆製造・投下を計画・共謀・実行した者ら15名、
●判事団=レノックス・ハインズ教授(米国・ラトガーズ大法学部・国際民主法律家協会終身国連代表)、カルロス・ヴァルガス教授(コスタリカ、コスタリカ国際法律大学法学部、国際反核法律家協会副会長)、家正治教授(姫路獨協大学法学部・日本国際法律家協会副会長)
●検事団=足立修一(広島弁護士会)、崔鳳泰(韓国・大邱地方弁護士会)ほか3名
●その他=これに被告弁護人の代わりの役割も担うアミカスキュリエ(法廷助言者・注参照)として、大久保健一(埼玉弁護士会)

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