[政治] 米英イラク占領軍の蛮行
はじめに
九一一を契機に開始された「対テロ戦争」。「大量破壊兵器保有」のウソを口実に、アメリカが強引に開戦したイラク戦争だが、現地はいまや泥沼化に陥っている。そのなかで米英の占領軍は、断末魔のあがきのように、非武装のイラク人民を殺し続けている。
侵略・占領の装置としてブッシュに駆り出された米軍兵士の死者も二五〇〇人を超え、アメリカ国内でもイラク撤退を求める声は大きくなっている。
米軍がイラクで働いた蛮行を、内外のメディアで報道された主な動きについて振り返ってみた。(編集部)
■「戦争終結宣言」以降、最大の軍事作戦
ブッシュが「主要な戦闘の終了」=イラク戦争終結を宣言したのが、二〇〇三年五月。それ以降、最大の軍事作戦となる「大群」作戦が今年三月一六日、サマッラ北東地域で開始された。「ゲリラ掃討」を目的とするこの作戦に投入されたのは、米・イラク軍一五〇〇人規模。軍用ヘリなど航空機五〇機以上、戦闘車両約二〇〇台。
■「ハディサ虐殺事件」が明るみに
五月一七日、アメリカのジョン・マーサ民主党議員は記者会見を行った。昨年(〇五年)一一月一九日にイラク・ハディサでIED(手製爆弾)攻撃により海兵隊員一人が死亡し、直後の銃撃戦で民間人一五人が死亡と軍が発表した事件について、マーサ議員は、軍関係者からの情報として、@IED爆発後の銃撃戦はなかった、A爆発直後に海兵隊員が付近にいたタクシーに発砲。Bさらに民家に突入して「冷血にも」複数の無実の女性と子供も殺害した。C民間人の死者は、当初発表の約二倍の二〇人以上だったと明らかにした。
■米軍、ザルカーウィーを空爆で殺害
六月七日〜八日、バクバ北方八qにある家屋を米軍F─ 戦闘機二機が五〇〇ポンド爆弾二発で空爆した。イラク・アメリカ合同軍が現場に入り、「イラク・アルカイダ機構」リーダーのザルカーウィーを発見し、本人であることを確認した。米軍報道官はザルカーウィーを含む三人が死亡と発表。
■米軍が空爆の上、市民を拘束
六月一八日、米軍がファルージャ近郊の村を空爆。八人が死亡、女性や子どもを含む六人以上が負傷した。空爆後、ヘリコプターから兵士が村に降下、兵士らが女性や子どもを脅して家屋や家具を破壊、一〇人の市民を拘束した、とアルジャジーラが報道。
■空爆の負傷者を理由もなく拘束
六月二〇日、米軍ヘリコプターがシェイクカドゥール・シャヒーン村の二軒の養鶏農家を空爆。子どもを含む一三人が死亡、四人が負傷した。兵士が降下して、住民を射殺。負傷者を理由なく拘束した。