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更新日:2006/07/02(月)

[コラム] 深見史/フィリピン人看護師と出会う日に向けて

二〇〇四年一一月に基本合意された日比FTA(自由貿易協定)により、今年からフィリピン人看護師・介護士の受け入れが始まることになった。もしこの受け入れが順調に進むとすれば、この決定は日本の入管政策の歴史的転換点となるはずだ。

なぜこれが歴史的な転換点なのかといえば、日本に初めて外国人看護師・介護士が登場することになるからだ。これまでは、日本の学校を卒業し日本の国家資格を取得したとしても、外国人看護師は研修という名目で四年間しか在留できなかったし、介護士には在留・就職の道は全くなかった。

「少子高齢化」という宿命を背負ってしまった日本は、今後さらに慢性的な労働力不足に悩まされることになる。経団連等は労働力不足を問題視し、外国人労働者の受け入れを提唱し続けてきた。政府は、日系人や研修制度を利用することで経済界の要望に応えてきたが、構造的労働力不足に対応できてはいない。

日本では現在、看護師は五〇〇〇人、介護士は五〇万人の不足が指摘されているという。しかしながら日本には、再雇用の機会を待つ主婦、資格取得を目指す若者たちなど、膨大な看護・介護職予備軍が存在している。看護・介護職の労働条件や雇用の問題を解決するのではなく、フィリピン人看護師・介護士を呼び寄せることで看護・介護職の人材不足を補おうとするのはなぜだろうか。

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