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更新日:2006/07/02(月)

[政治] 共謀罪 捜査現場の本音
報告書の山に怯え、ため息つく一線刑事の疲労感 杉村和憲

現役刑事が反対する理由

共謀罪法案について、五月一八日付の東京新聞に面白い記事が載った。「刑減免より犯罪組織が怖い−共謀罪・刑事が反対する理由」。

殺人など凶悪犯罪捜査一筋の現役刑事は、「重大事件の捜査に支障が出てくる」と断言した。自首すれば刑の減免措置があるから密告者も出てくるのでは?という質問を「刑が減免されたところで、組織の回し者に殺されたら何になる?しっかりした犯罪組織ほど(密告は)ありえない」と切り捨てた後、捜査現場の実情をこう話す。

「知ってるか?浮気した本人が元カレや元カノから『ストーカーされてます』って警察に言ってくる。昔だったら『民事ですよ』で終わったけど、市民相談とか言って、今は山のように持ち込まれてる。調べるとほとんどは本人が悪い。でも相談受けたら、何でもかんでも調べて、報告書書かなきゃいかんってことになってんだよ、今は」

組織の一員と名乗る者が密告してきたら、一応捜査しなければならない。でも、その中で本当に犯罪と結びつくケースは少なく、事務処理に追われるだけ、というのだ。

取材に応じたもう一人は、元公安OB。「共謀罪が左翼やNGOを狙い撃ちにした立法とは思わないが、将来的にはそういうツールになるでしょう」。たとえば外事警察。オーバーステイとか簡単な事件ばかりやっている。警察はノルマ社会だから、事件数の統計を伸ばして予算を取りやすくしたい。法の施行から数年もたてば、犯罪組織より市民団体に矛先が向くのは想像に難くない、と。

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