[投書] 言わせて聞いて第1245号
収容者搾取し暴利むさぼる「矯正協会」●元・獄中生活者組合 北谷隆
全国の刑事施設(特に拘置所)の食料品および日用品を取り扱う財団法人「矯正協会」の不正問題を指摘したい。
@天下り…同協会の会長は元検事総長、理事長は元東京矯正管区長などで、以下理事一四名のうち八名、評議員二四名のうち一六名が、法務省出身者または元矯正管区長、元刑務所長といった顔ぶれである。
Aお手盛り…同協会の役員および職員らは、実際に何もせず、ただ安楽なイスに座っているだけで、日当二万円も貰っているという。
その上に、べらぼうな高額退職金だ。
Bピンハネ…我々は拘置所に入所した時点でサイフの中は空っぽであるのに、市価の一・五倍から二倍以上の物品を買わされており、たまったものではない。
たとえば、近くの一〇〇円均一に行けば、耳かき℃O本で一〇〇円なのに、この協会売店では一本七〇円である。
C独り占め…同協会は、その売り上げを確実なものにするため、外部からの差し入れ品を制限または不許可とし、協会売店からの購入のみ許可と強制している。
D古典的搾取…同協会の中に、政府の補助金で刑務作業協力事業部(CAPIC)を立ち上げ、安い労働力で生産を上げ、この不況下でもその売り上げを誇っており、まさに「資本論」的搾取を行っている。
E福祉事業…同協会は、収容者から吸い上げたお金で、天下り役員や縁故職員らに高い給料を約束し、退職矯正職員互助年金事業や矯正職員団体自動車保険の取り扱い事業とか(掛け金の公金一部負担)、看守らが職務上負傷または病気になった時の慰問金あるいは見舞金に使われている。大阪市職員のような厚遇も多くあるに違いない。
F癒着…ある民間業者が差入れの代行業務を開始しようとした。収容者にとって、便利で安く品物が入るシステムだったが、その参入に同協会が横ヤリを入れ、拘置所と結託し、その進出ができなくなったことがあった。
Gマスコミの腰砕け…普段のマスコミらは、時々同協会の不正を暴露することがあるが、散発に終わってしまっている。
三浦和義も、「拘置所にいる人々は、いつまでこのような『癒着』に耐えていかなければならないのか」と吠えている。
なお、この五月二四日より、受刑者は「刑事施設受刑者処遇新法」が施行されるに至っているが、その問題点も明らかになりつつある。今後状況を投稿させていただきます。
トバク店にガサ入れ情報提供する天王寺署・中州刑事●大阪・井口辻子
私は一昨年と昨年に、「人民新聞」紙上で、大阪府警・浪速警察署がヤクの売人を情報提供者として利用している事実を告発しました。その情報提供者は覚醒剤密売と賭博ゲームを行っている人物なのですが、大阪府警は捜査しないのです。
さて、今回も同じような話なのですが、大阪府警・天王寺署が賭博ゲーム店を野放しにしているのです。
××組の村山三雄(仮名)が、大阪市天王寺区内のビルの二階で二〇〇四年一〇月から他人名義で賭博ゲームの店を経営していました。私は〇五年六月一〇日に、天王寺署生活安全課の藤野係長に取り締まるように直接、依頼しました。
今年の三月二八日、私は藤野係長に電話して、「依頼して九ヵ月経つが、未だ営業している。どうなっているのか?」と訊きました。すると「捜査してない」との返事でしたので、この事を高橋副署長に伝えようとしましたが電話に出ようとせず、電話交換の人に、これまでの事を説明して副署長に伝えるように頼みました。
四月一〇日、やっと副所長を電話でつかまえることができましたが、「そんな所に何で行くんや!後で藤野に聞く」と怒鳴り返される始末。
一八日にその店に様子を見に行ったところ、従業員から「一週間程店を閉めていたが、今日から経営者が変わって営業している」、と聞いたので、私はすぐ天王寺署に抗議に行きました。
その後、天王寺署暴力犯課の中州刑事から連絡があり、「村山(仮名)を捕えたい。店の捜査をしたいので協力してほしい」と言われました。私は、「今頃何を言ってるのか。経営者が変わってしまった。もうダメだ」と言いましたが、結局協力する事にしました。
ところが五月一三日、その賭博店が閉っているので、知人に聞くと四、五日前から閉まってるとの事。村山(仮名)が「近い内、ガサがあるかも知れんので店締める」と言っていたというのです。一五日に中州刑事に電話で抗議しましたが、刑事は「不思議やなあ」と言うだけ。副署長に電話しても繋がりません。
結局、天王寺署も何らかの癒着があって、村山に手を出さないのだとしか思えません。(編集部でまとめました)