更新日:2006/06/25(日)
[海外] パレスチナのゆくえ 3つのシナリオ
──イスラエル人平和活動家 モシェ・エラド
パレスチナ自治政府(PA)崩壊ならば…
パレスチナ社会はまたもや岐路に立っている ― 岐路の連続で、普通の生活はほとんどなかったのではないか。西岸地区もガザ回廊も、本当の自治・独立を経験したことがなく、絶えず外部支配者や敵との闘いの連続であった。過去二世紀間、オスマントルコの支配、英国の統治、その後西岸地区はヨルダン王国の差別的圧政に苦しみ、ガザの住民はエジプトの支配に苦しんだ。その後四〇年間イスラエルによる軍事占領のもとで過酷な支配を受け、世界で最も「支配された」民族の一つとなった。
今になってわかることだが、オスロー合意もパレスチナ独立へ向かって実際的・理念的な変化をもたらしたわけではなかった。PA(パレスチナ自治政府)樹立は、世界中で離散生活する七〇〇万人のパレスチナ人の長年の夢の実現であったはずだが、パレスチナ人大衆にとっては、どこか遠くの外国の政府のような感じであった。
かくして、パレスチナ人大衆はPLO/ファタハに罰を与え、代わって急進的宗教的原理主義勢力ハマスに、今後数年間の舵取りを任せたのであった。
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