更新日:2006/06/15(木)
[コラム] 介護施設の看護士不足、その構造的要因
──遥矢当
看護師が敬遠する介護現場
「看護師さんは、どうしても来てもらえないですね」私は求人サイトが映るパソコンから目を離し、デスクの向かいにいる上司に呟いた。
東京に帰ってきた私は、千代田区飯田橋に本社がある介護サービスの会社で総務の仕事を得た。仕事は、首都圏にある有料老人ホームと高齢者グループホームの統括である。現場スタッフの求人とその採用業務が私の仕事になった。
今のところ求人で何が困るかと言えば、看護のスタッフの慢性的な不足が改善されないことである。このままだと、昨年オープンしたばかりの有料老人ホームは人員不足で三業務の拡大が出来ない事になり、経営を揺るがしかねない事態となる。私の上司は「待遇は悪くないと思わない?」と返す。確かに会社が看護師に提示できる条件面は、他の介護サービスや施設と比べても遜色がない。会社の近くにあるハローワーク飯田橋に相談に行っても、看護師の条件としては割とマシな方だという回答が返ってくる。この状況は私の会社に限らず、今や介護業界全体の問題になってきた。
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