[社会] 世界から金持ち集め、地元貧乏人追い出し
「公」から排除される人々
大阪二十一世紀協会。―大阪府・大阪市・経済界が出資する財団法人(会長・熊谷信昭 大阪大学名誉教授 )で、「二一世紀にふさわしい『世界都市・大阪』の創生」への提言・イベントを行う官・業・政の談合組織だ。関経連会長・秋山喜久、大阪府知事・太田房江 、大阪市長・關淳一、大阪商工会議所会頭・野村明雄が、副会長として名を並べる。
年間予算約一〇億円(うち大阪府・市の補助金が約八億円)で、第三次グランドデザイン(二〇〇三年三月策定)・第三章では、「ビジターの都市」を目指し「水の都大阪」の再生を広くアピールするという。今流行の集客都市を目指すというのだ。
今回の世界バラ会議は、こうした長期計画の一環として活発な招致活動が行われ、大会準備活動として野宿テント強制撤去が行われた。世界バラ会議は、集客都市を目指す大阪の長期戦略に沿ったイベントなのである。
金持ちのお遊びに1億3千万円の税金
世界バラ会議の開催予算は、約二億円(業催事費=九一〇〇万円、宣伝費=三六〇〇万円。事務局運営費四三〇〇万円、総務費二八〇〇万円)、うち大阪市は一億三〇〇〇万円を負担した。名誉総裁として三笠宮ェ仁の嫁(麻生セメント会長の第三女)=信子を迎え、中曽根元首相を副会長に擁する、いわば金持ちのお遊びイベントなのである。
バラを愛でる時間と飛行機を使って来日できる金がある金持ちのためのイベントに一億円超の税金が使われること自体、財政危機を言いつのる大阪市の支出として適当なのか?大いに疑問。参加者には「金があるのだから自腹で遊べ」といいたい。
大阪市は、靱公園と大阪城公園の野宿者テント強制撤去費用として一一〇〇万円を支出した。世界バラ会議の開催予算外の支出だ。大阪市の「ホームレスへの就労支援」として予算計上されているのが二一〇〇万円(〇六年度)であることを考えると、大阪市の税金が誰のために使われているのか明白だ。