[投書] 言わせて聞いて第1242号
拘置所改善について獄中から一〇の提言●元獄中生活者組合・北谷隆
明治生まれの「監獄法」にさようならして、この五月から「受刑者処遇新法」が施行される。
次は未決囚の処遇を新たに作りなおす方向にあるらしいが、信義則に反する「代用監獄」の件はおくとして、無罪の推定を受ける未決囚の立場から、いくつかの提言をしておきたい。
@めし≠フ多い・少ないでケンカになる塀の中のことである。給食の主食量は申告制にし、副食は老人食と成人食の二本立ての献立とし、悪評の病人食(粥食)を社会水準並に改善せよ。
A医療から保安的要素を排除し、その医療業務を民間に委託せよ。そうしない限り、健康不安が解消されない。
B官本の充実を図り(現実はボロ本ばかり)、図書館の様に貸出方式にし、貸出制限をするな。
Cラジオの「選局権」を保障し、携帯ラジオの持ち込み又は貸出をせよ(提訴相談中)。
D受刑者は以前からテレビを視聴できるが、未決囚の処遇は、いつまでたっても「絵に描いたモチ」だ。この権利の逆転を正せ。
E新聞紙の講読を自由にし、ビンボー人のため各房の回覧も実施せよ。
F土・日の缶詰をやめ(ゴールデンウイークは一週間も放置)、レクリエーション、各種クラブ活動(教養講座も含め)を実施し、自治活動を認め、民間ボランティアを活用せよ。
G消灯は一〇時とせよ。九時とする合理的根拠を示せ。
H所持金〇円の困窮者には、生活保護を適用し、月額一万円以上を支給せよ。
I所長以下、看守らは憲法条文を学習し、「人の命の大切さ」を身をもって実現させ、死刑を施行するな。
焼け跡、腹ぺこ民主主義●高知・中田道孝
敗戦直後の日本は、一面の焼野原で、皆は粗末なバラック小屋に住み、食物も十分になく、腹ぺこだった。
しかし、マッカーサーが進駐してきてからは民主主義が芽生え、日本がもう「軍隊も戦争もない国」になった事を喜んだ。
しかし、マッカーサー自身が変節した。警察予備隊、保安隊、自衛隊、新旧日米安保、PKO、イラク派兵等、止めどもない。いつの間にやらビラ配布をやれば逮捕される。NHKの従軍慰安婦番組に圧力がかかって改変される。集英社の「国が燃える」という連載漫画に圧力がかかって改変される。カタログハウスの『通販生活』付録の憲法改変反対の本にも圧力がかかる。これでは昔の治安維持法、特高警察と変わらないではないか。
教育基本法改悪、憲法を変えて、戦争する国にしようという動きも活発化している。もう解釈改憲では間に合わなくなった。明文改憲せざるを得ない。これにはアメリカ財界が尻を叩いている。これを防ぐには革命しかない。
日本は米軍基地があれば思いやり予算をやり、グァムに出て行けば金をやる。こんな国は他にはない。日本は安保条約で米に守ってもらっているから仕方ないと言うが、実は米軍は日本からベトナム、アフガン、イラクとやり放題。報復の核ミサイルで日本は滅ぶ。日本列島は米の不沈空母として、楯になって滅ぶ。
はぐれ川柳●京都・渭原武司
たがためぞアチラの言いなり国を売る/見渡せばあの党この人いい加減/あの新聞この新聞も物足りない/民主主義おろかな民の多数決/右、左しっかりせよと抱き起こし/もの言えばつぶされながら生きて来た/その昔一人一殺おしいられ/国よりも人を愛して八十路入り/ありがたやおめでたく拝む人の群れ/労働者農民いまやどこにいる/自衛隊君アメリカのために死ぬ/老いたれどまだ古時計動いてる/若ものも老いたるように生きている/いつかきた道くりかえす屍踏み