更新日:2006/05/19(金)
[海外] タイ/土地なし農民の土地占拠運動
はじめに
「土地は命、金儲けの道具じゃない」―タイ北部で土地なし農民の占拠運動を支援するスエブ・サクンさん(三三歳)は語る。
サクンさんが所属するNGO・「北部開発機構」(一九九二年設立)は、五つのテーマで農民を支援する。@土地の権利、A水の権利、B農産物価格の適正化、C森への入会権の承認、D「開発政策」によって生まれた借金の帳消しだ。サクンさんが主に担当しているのが土地の権利。バンコクやチェンマイなど大都市に住む不在地主の不耕作地や開発会社が開発を断念して放置された土地で農作物を育て、農民の生産活動へと再生する取り組みだ。
土地なし農民による土地占拠闘争はブラジルのMST(土地なし農民運動)が有名だが、インドなどアジアにも広がりつつある。四月、来日した土地なし農民支援の活動家であるサクンさんにタイ北部の土地占拠闘争についてインタビューした。(編集部・山田)
インタビュー
―政府は土地占拠にどう対処していますか?
サクン(以下、サ):政府・資本家はこれを「不法占拠・強盗」と呼びますが、タイには土地占拠の根拠となる「一〇年不使用の土地は政府が没収する」という法律があります。タクシン政権は、ことあるごとに農地改革を口にしてきましたが、いっこうに進みません。首相の公約とこの法律を根拠に農民たちは、不使用地での耕作許可を政府に迫っています。
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