[情報] 改憲・戦争国家化への道止める憲法集会レポート/大阪
はじめに
改憲に向けた国民投票法案が上程寸前のなかで迎えた60回目の憲法記念日。各地で改憲反対の集会が行われた。大阪集会では、住民投票で艦載機移転反対の意思を明確にした岩国市から田村順玄氏を招き、比較的基地に寛容と言われてきた岩国市住民意思の大きな変化の意味が報告され、京都では、米国内反戦運動が紹介された。尼崎では、護憲勢力合同での護憲集会や朝日新聞襲撃事件で犠牲になった小尻記者追悼行事が行われ、あらためて戦争国家が進む現状への危機感が確認されている。京阪神の護憲集会の模様をレポートする。(編集部)
岩国市議・田村順玄さん講演から「実を結べ!社会を変える「種まき」」
五月三日、大阪市の住まい情報センターで開かれた「五・三大阪憲法集会」は熱気のこもった集まりとなった。主催者の予想を超えて約四〇〇名が詰めかけ、会場の入り口まで立ち見の参加者で埋まった。
コイズミ政権は「戦争のできる国家づくり」に向けた総仕上げとして憲法九条改悪を射程に入れた。「国民投票法案」は議会制民主主義の欠陥を補うものなどではなく、改憲を目的とする手続き法案である。「国を愛する心」を強制する教育基本法の改悪案、共謀罪と国民保護法の新設など、悪法が小泉の置き土産として次々に上程されようとしている。
民主党含め、国会の改憲勢力が三分の二を超える情勢の中で、ファシズムと戦争国家化への道を阻止することは極めて難しい。「ここ二週間が勝負だ」という集会の発言にも参加者の表情にも危機感が漂う。「戦争のできる国づくり」への濁流を断ち切り、社会を根底から変えうる「種」だけでも蒔けるか否か。
そんな中で、「厚木基地からの艦載機移転」をめぐる三月一二日の岩国市住民投票は「基地強化No!」が九割という開票結果が出た。この数字には、民衆の「これ以上は黙ってはい ないぞ」という意志を感じた。
集会の講演で、田村順玄さん(岩国市議)は「(この種が)実っていけば、必ずいい結果が生まれる」という。田村さんのお話から、社会を変えうる「種」を蒔いた岩国住民の取り組みに学びたい。(編集部 松原)