更新日:2006/05/10(水)
[海外] パレスチナ/120人の元イスラエル兵・パレスチナ戦士が平和団体を結成
──ハアレツ電子版4月10日 翻訳/脇浜義明
「殺し合い」から「話し合い」へ
一年間の秘密準備会議を経て、四月一〇日、一二〇人の元イスラエル兵士とパレスチナ人ファタハ戦士がユニークな平和団体の結成を発表し、両民族に対話促進と流血停止を訴えた。
団体名は「平和を求める戦士の会」。現在イスラエル・パレスチナの間に隔離・断絶が進行している中で、「連帯」を掲げた貴重な運動である。前日、イスラエル政府がハマス政権との没交渉を宣言し、ハマス宗教原理主義政権がイスラエル国の破壊を誓った直後のことであった。
エルサレム北部のパレスチナ人の町アナータにある学校の校庭で結成式が行なわれた。かつての敵同士がお互いに握手し、抱き合って、この「戦士の会」の発足を祝った。
元イスラエル兵アヴィハイ・シャロン(二四)は、「これは世界の人々にぜひ知ってもらいたい劇的なことです。もう銃の照準を通してではなく、お互い人間として向かい合って相手の顔を見たいのです」と、ロイター記者に語った。
イスラエル軍に火炎瓶攻撃したところを捕まり、三年間獄中生活をしたファタハ戦士オサマ・アブ・カルシュ(三五)は、「これまでは殺し合ってきたが、今後はテーブルについて話し合いたい。きっと実りがある結果が生まれるはずです」と語った。
両側のリーダーが、「争いを無くすために、何かしようではないか」と決心してから一年間、エルサレム周辺のあちこちで準備会を開き、仲間に呼びかけていった。会合ではお互いが体験談を語り、時には感極まって感情が表へ出ることも何度かあった。双方の間の信頼感が確立するまで極秘にしようとしたのは、そのためでもあった。一〇日の結成式でも、メンバーたちは集まってきた家族や友人の前で、軍事作戦の時の体験を語った。
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