更新日:2006/04/28(金)
[海外] パレスチナ/戦争終結望んだ?!イスラエル人
──ウリ・アヴネリ 翻訳/脇浜義明
気味が悪いほど静かな選挙
イスラエル史上最高に劇的で、最低に退屈な選挙運動がやっと終わった。イスラエルは鏡に映る自分の姿に見入り、「さて、一体何が起こったのか?」と自問している。
テルアビブ中心部にある投票場へ行く途中、私が見た光景はとても選挙投票日とは思えないものだった。通常イスラエルの選挙は熱狂的で、所狭しとポスターが貼られ、投票日には投票者を満載した車が車体にスローガンをベタベタ貼って、騒音を鳴らしながら投票場へ向かい、あちらこちらで論争するグループがいるなど、かなり賑やかである。
ところが、今回の選挙は気味が悪いほど静かだった。投票場へ出かけたのは登録有権者の三分の二以下。特に若者の間で棄権が多く、政治家を疎んじ、選挙民主主義を小ばかにする気配がある。彼らは「社会内別居生活」をしている。それでも最後の土壇場で考え直し、投票場へ出かけて、年金党などの泡沫政党へ票を入れた若者もいた。
おかげで年金党はゼロ議席から七議席へと躍進。しかし、実際にはこれは抗議票である。棄権するよりは、高齢者、病人、障害者はもちろん、ネタニヤフのサッチャーイズム経済政策が(シャロンの支持を受けて)ないがしろにする保健と教育を、少しでも是正しようという気まぐれと見る方が正しいだろう。
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