更新日:2006/04/09(日)
[情報] ロラたちをたずねば/日本軍性奴隷問題を問う
消し去られる日本軍性奴隷問題
戦後六〇年目の二〇〇五年春、ついに日本の全ての教科書から「慰安婦」という記述が消えた。日本軍性奴隷問題は、朝鮮半島や中国、台湾以外にも侵略戦争が展開されたアジア・太平洋地域各地に存在し、放置され続けている。
私は、一年前から日本軍性奴隷(いわゆる「慰安婦」)問題の解決を求める全国同時企画に参加している。
京都実行委員会がフィリピンの被害女性団体リラ・ピリピーナのロラ(※タガログ語で「おばあさん」)たちは当初、京都からの招請に閉口した。老体に鞭打って幾度も来日し、証言と訴えを重ねてきたのに、最高裁が出した判決(〇三年)は彼女たちを更に貶めるものだったからだ。
そんな中、七八歳のピラール・フリアスさんが「誰も行かないなら私が行く。でもこれを最後にしてほしい」と手を挙げてくれた。
それまで彼女たちが来てくれることを心のどこかで当たり前のように思っていた自分に気づいた私は、あまりの恥ずかしさと申し訳なさに頭がガンガンした。同時に「証言を意味のあるものにしたい」「ロラの心に少しでも響く滞在にしたい」と強く思った。
リラのコーディネーターを務めるリチェルダさん、通訳のSさんの三名が京都に到着したのは、一〇月下旬の寒い夜だった。借り切ったゲストハウスで暮らした一週間は、大家族のように賑やかで、日を追うごとに表れるロラの笑顔が嬉しかった。
最後の夜、「今までで一番楽しい滞在だった」と言われた時は心底ほっとした。本当なら会いに行って話を伺わなければならないはずなのに、ロラは来てくれた。「次は私たちが、フィリピンのロラたちに会いに行きます」と約束したのだった。
続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。