[コラム] きくちゆみ/少なく稼いでスローに暮らす
私流の働き方
さて、今回のテーマは私の働き方。まずは私の平均的な一日の過ごし方を書いてみたい。朝は基本的には早い。ただ、前の晩に遅くまで原稿書きをしていなければ、という但し書きがつく。目覚ましがなくても、鳥の声か子どもたちの声で七時には起こされる。私と夫は朝食を食べないけれど、子どもたち二人の朝食を用意して(私が寝ている時は夫が用意して)八時半ごろ夫が子どもを保育園に送る。
子どもたちがいなくなると、私は洗濯機を回しながらメールに目を通して、返事を書く。多い時には一日三〜四〇〇、少ない時でも一〜二〇通のメールに目を通して、五〇〜一〇〇通ぐらいの返事を書くので、下手をするとそれだけで日が暮れてしまうこともある。
お昼の準備と食べるのに一時間半ぐらい。晴れていれば午後は畑に出て夕食のための収穫をしたり、裏山を散歩したりが一時間。今だと野いちごを摘んだりする。原稿を抱えているときは(最近は紙媒体の原稿に加えて、ブログやメルマガを始めたので、殆どいつもだ)取材のための本を読み(いつも平行して五〜六冊読んでいる)、原稿を書く。子どもが四時に戻ってくると、晴れていれば一緒に外で遊ぶ。自転車に乗って、近くの海に行ったりもする。
夕飯の準備と食べるのに約二時間。子どもたちも手伝う。食後は家族一緒の時間。でも仕事を抱えているときは、この時もコンピュータに向かっている。九時頃家族一緒にお風呂へ入り、子どもたちを寝かしつける。この時一緒に眠ってしまうこともあるし、締め切りの原稿を抱えているときは、起きだしてまた仕事をする。と、だいたいこんな感じだ。
週末はほとんど講演で全国各地を巡っている。泊まりの時は家族も連れて行くことが多いので、講演料は家族の旅費で消えてしまう。それでも何とか食べて自由に動けているので、たいへんありがたい。
少なく稼いでスローに暮らす。日本経済の発展にはあまり役立っていないけれど、それで良い。これが私流の働き方。