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更新日:2005/12/07(水)

[海外] フランス/正義がなければ平和はない

はじめに

フランス暴動について、フランスの「持たざる者」とMIB(移民と郊外の運動)が声明を発している。(翻訳:稲葉奈々子・茨城大学人文学部)

「持たざる者」はNo─Vox(「声なき者」の意)をはじめ移民労働者、失業者、不安定住宅に居住する者らのグループ。MIBはNo─Voxにも参加している、郊外の若者らのグループだ。日本では「持たざる者の国際連帯行動」が一四日(月)にフランス大使館への抗議行動に取り組んだ。大阪でも「持たざる者関西実行委員会」がフランス総領事館へ抗議声明を送付した。

現地の彼らの声に耳を澄ませることは日本の運動にとっても極めて重要だと考える。私たちもすでにいま、フランスと同じ新自由主義の現実に直面しているのだ。(編集部)

MIB声明

『仲間よ、安らかにくたばれ、ただし静かにくたばれ。苦しみの叫びが遠くのこだまとしか聞こえないように・・・』

暴動の理由を理解できない者は、健忘症か、何も見えていないか、その両方かだ。郊外では三十年間にわたって、正義の実現が要求されてきた。蜂起、暴動、デモ、行進、公開集会、明確な要求をつきつけた怒りの叫びが、形をとって二五年が経過している。 (中略)

警察の犯罪が罰せられないのはもうたくさんだ。身なりや顔で判断する不審尋問はもうたくさんだ。ゴミ箱のような学校はもうたくさんだ。つくられた失業はもうたくさんだ。不衛生な住宅はもうたくさんだ。刑務所はもうたくさんだ。侮辱はもうたくさんだ。腐敗した政治家を擁護し、もっとも弱い者を制度的に断罪する正義のダブルスタンダードはもうたくさんだ。

この叫びは、無視され、押さえつけられてきた。

沈黙して苦しみを押しつけられている数百万の家族、男性、女性は、一台の車が燃やされるよりもはるかに大きな損害であるような社会的な暴力を日常的に受けている。戒厳令によって政府は、集団的な処罰と警察に全権を与えるような例外的な法律によって、こうした叫びに応えようとしている。臭い物にはフタをする。これは私たちの住む地区の長きにわたる記憶であり続けてきた。

正義と本当の平等が達成されなければ、私たちの地区に平和はありえない。どんな平和もどんな戒厳令も私たちの闘いを止めることはできない。

正義がなければ、平和はない。

二〇〇五年一一月九日 MIB(移民と郊外の運動)

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