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三万人が居住する最大の入植地マアレ・アドゥミム。手前が建設中の分離壁(今年八月)
更新日:2005/12/07(水)

[海外] パレスチナ/二国家並存、解決案の消滅
──一〇月二二日付 「エルサレムタイムズ」ハンナ・シニオーラ 翻訳:脇浜義明

違法入植地の既成事実化が進行 パレスチナ国家樹立は遠く

木曜日(一〇月二〇日)のブッシュ大統領とアッバス議長との会談は、ロードマップへ復帰する突破口とはならなかった。ブッシュはパレスチナ人の生活は改善されるべきだと繰り返したが、領土的連続性を有し、存続可能な形の独立パレスチナ主権国家樹立の日程をまた引き伸ばした。最初は二〇〇五年末だったのを二〇〇六年に引き延ばし、今回の会談では具体的日程すら発表しなかった。このことは、ブッシュが独立パレスチナ国家樹立を無期限に先送りしたということである。

二国家併存解決の日程をゼロにしたことは、ブッシュが自分のロードマップ案の中身を空にしたことを意味する。シャロンの一方的ガザ撤退は、現在実行中の国家人口計画の一部で、パレスチナ国がガザ回廊だけに限定される可能性もある。

さらに、東エルサレムと西岸地区に関するシャロンの計画がだんだんはっきりしてきた。それは分離壁建設ルートにはっきり示されており、分離壁こそがイスラエルが一方的に敷いている国境線である。パレスチナ自治政府は、東エルサレムを欠如するいびつでばらばらに分断された国家という事実を受け入れるか、それともシャロンから、アラファトのときのように、和平交渉パートナーがいないと拒否を受けるかのどちらかしか選択肢がなくなってきている。かくてブッシュも、以前の米大統領と同じように、一度提案したイスラエル・パレスチナ紛争解決政策からどんどん後退していく。現場段階では、このことは西岸地区と東エルサレムでの入植地拡大の認可を意味し、過酷な占領政策をさらに継続することを意味する。

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