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更新日:2005/11/26(土)

[投書] 言わせて聞いて第1227号

軍事境界線を越えた赤ちゃん●平壌・若林佐喜子

先月二五日の朝鮮民主主義人民共和国のテレビ報道で流された内容です。

韓国からアリラン祭のマスゲーム参観に来ていた女性が、滞在期間中に産気づきピョンヤン産院で女の子を無事出産しました。なんとその母親と赤ちゃんが、二五日に板門店の軍事境界線をまたいで帰ったのです。その慶事に共和国の病院関係者はもちろん、全国民が心から祝福していました。

共和国の関係者に見送られ、南北を分断する一本の軍事境界線をまたいだその場所には家族が待っていて、母子を温かく迎え、早速赤ちゃんを抱っこしていました。

かつて九四年の世界青年祝典に韓国から参加したリン・スギョンさんが、板門店の軍事境界線を超えて帰り、すぐに韓国当局に逮捕されました。

そして今日は、母親に抱っこされて軍事境界線をまたいだ赤ちゃん。

六ヵ国協議の進行に南北交流の進展が注目されていますが、「ウリ ミンゾクキリ(わが民族のみで)」という精神で、南北の和合は進んでいます。その進展を象徴するかのような赤ちゃんに、心から祝福をおくりたい。

社会は国家に置き換えられない●匿名希望

「憲法の制定よりも、その都度のソビエトの決定が何よりも重要である」とレーニンは説いたのではなかったか。それは、自治の確立という大きな意義を持ったものではあったが、統治に関しては、有効に作用したとはいえない。すなわち、「縛り」がなかったということでしょう。

『権力奪取後にどんな社会をつくるのか』ということに関して言えば、革命家はそんなことに関知しない。なぜなら、彼等の使命は、すべてを更地に戻すことだからである、と。後世のことは後世の人々に任せる。その為にも、憲法制定は、先ずもって重要な、国家の基本的枠組みを決めること、言い換えれば、『権力奪取後にどんな社会をつくるのか』のイメージの表現だと言い得るでしょう。

ソ連崩壊の教訓は、社会を国家に置き換えることはできないことを示したのだと、私は思います。

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