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更新日:2005/11/26(土)

[政治] 在日米軍再編、日米政府合意/沖縄現地レポート
──那覇市 田場典篤

10/30緊急の沖縄県民総決起集会に五〇〇〇人

一〇月二九日、日米両政府による在日米軍再編の中間報告が合意に達した。実戦部隊を残したままの海兵隊削減、普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸への移設、自衛隊の米軍との一体化。基地負担軽減を切望した沖縄県民を無視した、断じて許すことのできない「合意」である。名目は米軍削減、負担軽減とされるが、むしろ基地機能の強化と基地の恒久化を図る日米両政府の妥協の産物であり、沖縄に対する差別的な合意である。

一〇月三〇日夕刻、雨の降るなか現地では宜野湾市長や地元出身の国会議員らをはじめ、県内各地から予想を超える約五〇〇〇人が参加して、「米軍普天間飛行場の即時閉鎖と撤去、基地の県内移設に反対する県民総決起集会」の抗議集会・デモが行われた。私はこの緊急集会が開かれることを新聞で知り、会場に駆けつけた。

集会では平和市民連絡会の平良夏芽さんが「五〇〇日間にわたって続けられた辺野古でのおじいとおばぁの闘い、そして私たちの反対運動が勝利したことをまず確認しよう」と発言して大きな拍手に包まれた。そして、「全国に動きをつなげながら闘いましょう」と新たな闘いへの決意を語った。

「地元無視、県内移設を大前提とした日米協議。『海兵隊の存在は決定的に重要』とする日米政府の合意内容は許せない」──これは私が集会場で出会った叔父さんの話だ。みんな怒っているのだ。

那覇市の与儀公園から国際通りを抜けて県庁前の広場までの間、賑わう観光客の流れをデモ隊が逆流する光景は、これから始まる新たな島ぐるみの闘争を予感させた。

これから始まる新たな島ぐるみ闘争

普天間飛行場の辺野古移設が「沿岸案」で決着する中、辺野古の反基地闘争はより厳しい局面に立たされる。沿岸案で着工ということになれば、キャンプ・シュワブの敷地内になるので、これまでのような直接行動は難しくなるからだ。

しかし先の衆院選では、全国的に吹き荒れた「小泉旋風」の中で、沖縄一区で公明党前職の候補を破って民主党推薦・社会大衆党が支持する下地氏が、また沖縄二区で社民党の副党首である照屋寛徳氏が当選するなど、与党への根強い批判が示された。決して先行きは悲観的ではない。

在日米軍の七五%の基地が集中し、戦後六〇年間、基地の重圧を強いられ続けている沖縄。昨年八月には普天間基地に隣接する沖縄国際大学へ米軍ヘリが墜落、今年七月には米兵による女子児童へのわいせつ事件が発生したのだが、その度に米軍は治外法権を駆使し、事故、事件の根本的解決を図らせない。そこには、沖縄が未だに米軍統治下の現実があり、沖縄県民の基本的人権や安全が保障されていない現実が見える。

普天間基地の移設先とされた名護市辺野古では反対する地域住民の座り込みは、五〇〇日を超えた。「先祖から受け継いだ美しい自然を基地のために破壊しても良いのか」ただそれだけの思いで、八〇歳を過ぎるおじい、おばぁが中心となって始めた運動である。沖縄の尊い自然と子供達の未来を守る戦いは、いつまで続くのであろうか。どれだけの犠牲を払えば、日本政府はこの島の現状を解ってくれるのだろうか。

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