更新日:2005/11/12(土)
[政治] 万博のツケに苦しむ愛知県財政
──瀬戸市議 加藤徳太郎
ゴマカシの「愛・地球博」を検証する
六ヵ月間に及んだ「愛知万博」が九月二五日に閉幕しました。
「自然の叡知(えいち)」=環境をテーマとし、海外から一二〇ヵ国が参加し、期間中二二〇〇万人の入場者があったと発表されました。
万博協会・愛知県は、「当初予想入場者数一五〇〇万人を上回り、世界との交流が進み大きな成果が上がった」としています。マスコミなどでは「入場者数が増え数一〇億から一〇〇億円の黒字が予想される」といった報道がされています。成功で終えたかのようです。
地場産業衰退 商店街は「万博不況」
しかし、六ヵ月間の巨大(虚大)イベントのツケは、地域住民・愛知県民に回され、残されています。
万博と中部新空港という巨大事業実施が優先、聖域とされたため、愛知県財政は、この二事業開始時の一九九〇年と比べ、なんと二兆七〇〇〇億円以上も県債残高が増加しています。
この間、県職員の給与をカットするだけでなく、一般経費を福祉、教育分野だけでなく地域商店街への補助金などを含め、一律二〇%から三〇%切り下げる措置をとってきました。
万博と新空港建設費合計七七〇〇億円。関連事業であるリニアモーターカー建設費、高速道路、海岸埋立てによる前島造成、連絡橋建設などで合計一兆二〇〇〇億円。
市民の日常的基本的な行政サービスへの支出は切下げられ、巨大な建設、造成事業への支出は増大され続けられたことになります。
万博会場地元の瀬戸市の商店主は「万博不況だ」と言っています。
あてにしていた万博観光客が来訪しないだけでなく、元々来ていた周辺住民が万博会場へ出かけてしまい、商店街に買い物に来なくなってしまったのです。
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