更新日:2005/11/12(土)
[政治] 「共謀罪」衆院審議 着々進行中
──弁護士 山下幸夫
来年通常国会で成立図る与党
今特別国会に三度目の上程がされた共謀罪の新設を含む「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」(以下「共謀罪法案」という)は、一〇月四日に国会に上程された後、衆議院法務委員会において、一〇月一四日、同月二一日、同月二五日、同月二六日(参考人質疑)に審議が行われ、同月二八日も審議が行われた。
私は、一〇月二六日の午前に行われた審議に参考人として出席し、サイバー犯罪条約の国内法整備に関する意見を述べて質疑を受けたが、自民党以外の議員からの質問を聞いていると、共謀罪法案は共謀罪以外にも色々と問題があると認識をし始めていることが感じられた。
ところで、一〇月中旬ころから、マスコミにおいては、「与党が今通常国会における共謀罪法案の成立を断念した」と報道されたが、その後も、衆議院法務委員会においては着々と審議が行われている。
与党は、今特別国会で可決できないとしても、共謀罪法案を継続審議にして、来年の通常国会での成立を期すことにしただけであり、共謀罪法案が廃案になるわけではないし、与党が共謀罪法案の成立をあきらめた訳でもないことを私たちは改めて確認する必要がある。
ところで、衆議院法務委員会における審議においては、与党議員も含めて、共謀罪法案に対する疑問を提起し、それに対して、法務大臣や政府参考人から苦しい答弁がなされているが、その中で明らかになった事項も少なくない。
ここでは、特に、共謀罪が適用される団体性の問題について、注目すべき答弁を取り上げることにしたい。
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