更新日:2005/11/03(木)
[海外] パレスチナ/再び昔どおりのやり方へ
──B・ミハエル『イェディオト・アハロノト』2005・9・30 翻訳/脇浜義明
繰り返されるイスラエルによる市民への攻撃
やっと、よき昔のやり方へ戻った。ガザ撤退、入植地解体、 ビビ(ネタニャフ)との争い、すべて異常な騒動がやっと終わって、また昔どおりになった。昔どおりの暗殺、昔どおりのターゲット・キリング、昔どおりのガザ空爆や砲撃。そして、やはり昔どおりガザから(ハマスによる)カッサム・ロケット弾が飛んできて、それに対する報復も昔どおり行なった。カッサム・ロケット弾飛来の前に、イスラエル側のパレスチナ人殺害攻撃が先行していたことを忘れるのも、昔どおりである。今回トゥルカルムで素早く殺害行為を行なったナハル旅団のロニ・ルーマ司令官は、殺害したのはテロリストだけだ、と自信たっぷりに声明を出したが、昔どおりの経験から、それを信じる者は一人もいない。
モファズ国防相のマッチョな声がテレビから流れてくるのも、昔どおりだ。彼は、暴力の影が薄い時代は非常に口数が少ないのに、昔どおりの暴力の応酬へ戻った途端、たちまち能弁になり、大胆な脅し文句で、パレスチナ社会をめちゃめちゃにしてやると、彼の個人的好みらしい「男らしい」猛々しい言葉を撒き散らしている。
我々は、またインティファーダ時代にすっかりお馴染みになった「間接的報復」へ戻った。これは、実際に銃を発射したのがハマスだろうがジハードだろうが、イスラエルからの報復の大半を、ファタハへ、またはパレスチナ警察軍へ、または自治政府へ、または自治政府の長へ向けるのだ。和平交渉をしたくてもする相手がいない「ノー・パートナー」論と、希望だけあって指導力がない弱いパレスチナ指導部という定式を復活させるのだ。そののおかげで、イスラエルは積極的に和平への努力をしないで、占領という既成事実を維持し、随時随所で、暗黙の民族浄化という昔どおりのやり方を継続できるのだ。
続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。