[海外] アメリカ/フツーの人が反戦デモに 自分の言葉でブッシュNO!
はじめに
9月24日、ワシントンのホワイトハウス周辺で、「イラク戦争反対」「イラクからの米軍の撤退」を訴えた集会・デモはイラク戦争以来の最大の規模となった。この集会をアメリカ在住の宮原文隆さんにレポートしてもらった。(編集部)
ベトナム反戦以来のチャーターバス
九月二四日、首都ワシントンのホワイトハウス前には、主催団体も驚愕すると思われる、予期せぬ数の人々が集まりました。
折りしも、対イラク戦争に関する前週のCNNの世論調査で、「イラク問題では、六七%が政策の不手際を指摘。五九%が、イラク軍事行動は間違っていた」とし、「米国の勝利を信じているのは米国民の半分以下で、五五%が軍の撤収計画を早めるべきだと考えている」なかでの反戦集会でした。
二三日の夕刻、私は、シカゴの西部郊外の町から、当地の市民グループが用意したチャーター・バスに乗って、首都を目指しました。
まずは、この町からワシントンに向けてバスが出ることが、ベトナム戦争以来、初めてであったこと。定員五〇名に対して、超過の二十余名の人々は同乗を断念しなければならなかったこと。シカゴ公共放送局の記者が同乗して、二日間にわたり、参加者にインタビューをしたこと。同乗者のなかに、イラクに従軍している子息をもつ母親が三人いたこと。同乗者の三分の一は、初めてワシントンの集会に参加する人々であったこと。そして、バスの運転手までが、反戦バッジを胸に着けていたこと。これらを見て、イラク戦争反対が「日常化」してきたと、感じないわけにはいきませんでした。
二年前、同じシカゴからワシントンの反戦集会へのバスのなかは、いわばプロ活動家の政治信条に基づく反戦意識が充満していました。しかし今回は、「ブッシュ大統領が嘘をついて始めた戦争」が許せないという怒りと、ハリケーン・カトリーナ災害に見られる政府の対応不備に対する不満が、人々を駆り立てていました。 嘘とお金の使い方、換言すれば、モラルと経済コストの関心が牽引力になっていたと言えるでしょう。