更新日:2005/10/21(金)
[コラム] バリアのない街11/老健施設での障がいリハビリ訓練
──遥矢当
この夏私は、兵庫県伊丹市にある介護老人保健施設(老健施設)で過ごした。九月に入ったある日の夕方、食堂フロアのテレビ画面には、ワイドショーが映し出されていた。番組では、今回の衆議院選挙立候補者に実施した障害者自立支援法案に関するアンケートを公表し、その結果を伝えていた。この法案は介護保険さらに高齢者福祉をも変えるきっかけになり得るから、非常に重要な法案である。
ところがこの施設で暮らす高齢者と支える職員は、何のニュースかも分からず狐に摘まれたような顔をしていた。そこで私は興味が湧いた。たまたま通りがかった若い女性職員に、障害者自立支援法案の事を「これ知ってる?」聞くと、「さあ、学校でも勉強しなかったし、担当の先生も知らないはずです…」とにべもない。もっともこの女性職員は、この春福祉系の専門学校を出たばかりとの事であった。
私は彼女が学校で教わった障害者に関する知識を聞いてみたかったが、そこまでは教えないだろうと察し、仕方が無いと思った。けれど、私の質問に施設の相談員やケアマネージャーも同様に「う〜ん」とだけ述べ、首をひねる様を見て、やはり疑問を持たざるを得なくなった。
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